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重症筋無力症(MG)啓発プロジェクト タイアップレッスンレポート

イベント
2022年08月9日

貝印株式会社は、製薬会社アルジェニクスジャパン株式会社が実施する重症筋無力症(以下MG)疾患啓発活動「知ってくださいMGのこと」のプログラムの一つである「MGクッキングキャンペーン」を、アルジェニクスジャパンと共同で企画・実施しました。「その知識が、優しさになる。」をスローガンに掲げたこのプロジェクトにおいて、Kai House Club会員の料理家と連携し、 MG患者さん向けのレシピを開発。料理家自身の教室でレッスンをしながら、生徒さんたちに調理や食事の観点からMGへの認知や理解を深める活動を行いました。

今回、MG患者さん向けのレシピを考案してくれた一人が、神楽坂でフレンチイタリアン教室「サロン ピルゥファス」を主宰する斉藤かすみさんです。

MG患者さんは、「咀嚼や嚥下が難しい」、「手に力が入りにくい」などの症状を伴うこともあり、調理や食事に関する悩みを抱えている場合があります。それらのお悩みをふまえながら、栄養バランスもよくて簡単に作れる「リボン野菜で梅味のとろとろ素麺」を教えてくれます。

まず、MGの症状について、斉藤さんが説明していきます。初めて病名を耳にした生徒さんたちばかりでしたが、パンフレットを見ながら理解を深めていきました。
「MGではないのですが、うちのおじいちゃん、おばあちゃんに当てはまる症状があるので、お年寄りにも食べやすいレシピ作りの勉強になります」と、生徒さんも自分ごととしてとらえているのが印象的でした。

包丁を扱うのが難しいMG患者さんに便利なのが、貝印の「SELECT100 T型ピーラー」です。軽くて鋭い切れ味の斜め刃のステンレスピーラーなら、かたい大根やズッキーニも野菜の表面を滑るように、力を入れずとも薄くスライスできます。

「持ち手も手になじみやすく、軽い力でスライスできるのでストレスフリーですよ。このままだと長いので、食べやすい大きさにカットするところだけ包丁を使ってください。野菜はやや長めに煮てやわらかくすることで、食べやすくなります」と、斉藤さん。

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撮影/田尻陽子 取材・文/岡井美絹子

先生の声

今回のレッスンを行ってみて、たくさんの学びがあったと語る斉藤さん。
「MG患者さんは、作ることそのものが大変だということを知りました。症状をふまえて、ピーラーやおろし器を使って、美味しさと作りやすさを両立させることを念頭にレシピを開発したことは、私自身、とても学ばせてもらうことが多かったです。MGでなくても、高齢になると、嚥下障害が起きたり、力が入りにくいなど、同じような症状が将来的に出てくる可能性はあると思うので、身近に感じることができました。ご病気のことは知らない生徒さんが多かったのですが、高齢の両親を抱える生徒さんたちも多いので、興味を示してくださる方が多かったですね。“介護メニューによさそう”との声もいただき、とても有意義なレッスンになりました」

生徒の声

・「MGについて理解が深まりましたし、今日のレシピもとても参考になりました。そうめんは下ゆでの必要がないから時短になりますね。高齢の両親がいるので、作ってあげたいです」

・「身近な人にMGの方はいないのですが、似たような症状があるパーキンソン病の方や、筋力が落ちて箸が上手く使えなかったり、咀嚼が難しい方がいるので、とても勉強になりました。病気でなくとも、私たちは100年時代ともいわれている世代。私もいつかそうなるかもしれないし、家に高齢者が4人いるので、今日学んだことを生かしていきたいなと思いました」

・「ピーラーを使ったり、小さく切ってよく煮るなど、食べやすい工夫がされていて、お年寄りから小さな子どもまで応用できるレシピでした。食欲が落ちる時期や、風邪のときにもよさそうですね」

・「力が入らなくなったり、咀嚼が難しくなるなど、想像もしない症状が起こるMGという病気について、改めて知ることができました。美味しいだけでなく、作りやすさも重視されたレシピは、自宅でも作ってみたいです」

リボン野菜で梅味のとろとろ素麺

材料 2人分

素麺 60g
鶏挽肉 60g
大根 50g
ズッキーニ 40g
梅干し(できれば減塩タイプ)  30g
しょうが (皮付き) 30g
出汁 (和風だし、かつお出汁など)  800cc
あおさのり 2g

作り方
1. 大根は、SELECT100T型ピーラーを使って皮をむき、リボン状にスライスをする。ズッキーニは皮付きのままリボン状にスライスをする。それぞれ食べやすい長さに包丁で切る。
2. しょうがは皮を厚めにむき、SELECT100薬味おろしでおろす。飾り用に小さじ1ほどを取り分け、残りは絞る。
3. ボウルに鶏ひき肉を入れ、2のしょうがの絞り汁小さじ1/2、塩少々(分量外)を加えてひとまとまりになるまでスリムシリコーンベラで混ぜ、10等分にして丸める。
4. 鍋に出汁を入れ火にかけ、沸騰したら大根と残りのしょうがの絞り汁を入れ、蓋をして中火で7分ほど煮る。
5. 梅干しと3の鶏肉を加え、鶏肉に火が通るまで2分ほど煮る。
6. 鶏肉に火が通ったら、手で食べやすい長さ(4〜5等分が目安)に折った素麺とズッキーニを加え、2分ほど煮る。
7. 器に盛り、種を取った梅干し、残しておいた2のおろししょうがをあしらい、あおさのりを添える。

教室主宰者紹介

斉藤かすみさん
フランス料理研究家。1987年から自宅でサロン形式の料理教室の開催を始める。年数回の渡仏と現地レストランでの毎夏の研修を経て、1998年神楽坂にて料理教室併設のレストランを開店、2007年同敷地内にて移転、「サロン ピルゥファス」を立ち上げる。野菜を多用し、ソースのリエゾンなどに工夫をこらした“体に優しい”レシピが人気。料理コンサルタントとして、プロ向けのビデオや書籍の編集にも携わっている。

MG(重症筋無力症)とは


末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患です。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴です(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型とよんでいます)。
嚥下が上手く出来なくなる場合もあります。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともあります。
(引用元:難病情報センターhttps://www.nanbyou.or.jp/entry/120より抜粋)

アルジェニクスジャパン株式会社について


アルジェニクスジャパン株式会社は、ベルギー・ゲント市に本拠を置くアルジェニクスBVの日本法人です。アルジェニクスは、深刻な自己免疫疾患およびがんに苦しむ人々の生活の向上に貢献することに取り組んでいる免疫領域に特化したグローバル医薬品企業です。独自の免疫学イノベーションプログラムを介して主要な学術研究者らと協業し、免疫学領域における画期的な発見から世界的な新規抗体医薬品ポートフォリオを生み出しています。
重症筋無力症(MG)啓発サイト:https://mg-united.jp/