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「富山のおいしいレシピ講座~シロエビ編~」スペシャルイベント

2024年03月5日

2024年2月3日(土)に、富山県のアンテナショップ「日本橋とやま館」と貝印Kai House Clubによるスペシャルイベントが開催されました。2020年より、Kai House Clubは「日本橋とやま館」と連携し、富山の食材に関するプロモーションを実施しています。今回は、富山県の「富山湾しろえび倶楽部」の発起人・野口和宏さんとKai House Club所属の料理家・岩木みさきさんを講師に迎え、富山の食材を使った料理を紹介しました。貝印本社1FのイベントスペースKai Houseで開催されたイベントの様子をレポートします。

今回行われたのは、富山の美味しい食材の魅力を体感していただく一般の方を対象としたイベントで、シロエビにフォーカスしたプログラムを実施しました。
はじめに、「日本橋とやま館」の館長・田﨑博勝さん(写真左)より、能登半島地震における被害状況のご報告と、全国から励ましのメッセージが多数届いていることへの感謝を述べると、参加者のみなさまからも温かい拍手が送られました。

続いて、副館長・野原茂樹さん(写真左から2人目)より、富山県が山海の幸に恵まれた美食の宝庫たるゆえんを、北前船の歴史や地形などの資料を見ながら、わかりやすく解説していきます。
富山湾は、「天然のいけす」と呼ばれ、一年を通じて多種多様な魚介類が水揚げされます。その中でも、“富山湾の宝石”と呼ばれるのが『シロエビ』です。

シロエビについてお話いただいたのは、本日のプレゼンターのひとりである、「富山湾しろえび倶楽部」の発起人・野口和宏さん。野口さんは現役のシロエビ漁師で、持続可能な漁業を目指し、2020年に富山湾しろえび倶楽部を発足しました。
富山湾でしか行われていないシロエビ漁を後世に受け継いでいくため、野口さんたちが所属する新湊漁業協同組合では「プール制」を取り入れています。プール制とは、全漁船の1日の総漁獲量を集約し、収入を均等に分配する仕組みのことで、富山湾しろえび倶楽部では白えび漁船8隻を2班に分け、1日交代で漁に出ることで総漁獲量の調整を行い、休漁船を含めた8隻で均等に収入を分配しています。

「シロエビ漁は毎年4月1日に解禁になります。私たちは休漁船を活用した『白えび漁観光船』の運航も行っていて、水揚げの瞬間を間近で見学していただけます。透明で光り輝く姿を見られるのは水揚げ直後のほんのわずかな時間だけ。その新鮮なシロエビを漁港の食堂で味わうことができるのも富山の魅力です」。

今回、シロエビのことをもっと知ってほしいという思いから、「シロエビの手むき」を体験いただきました。参加者にシロエビが配られると、殻付きのシロエビを見たことがない人が多く、写真を撮ったりしながら興味深そうに観察していました。

小さくて繊細なシロエビの殻をむくのは至難の業!そこで、富山湾しろえび倶楽部の漁師さん達が各テーブルを回り、実演を交えながら丁寧に教えてくださると、最後はみなさんコツをつかみ、貴重な体験を楽しまれていました。

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撮影/米山典子  取材・文/田辺千菊