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遊び心とインパクト Ode(オード)

レストラン
2018年04月1日

おいしいレストランは数あれど、料理教室主宰者やプロのシェフたちが注目するレストランには、さらなるユニークな「理由」がありそう。話題をさらう人気レストランを訪問し、おいしさだけでないさまざまな魅力を紹介するレストラン連載をスタートします。

八丁堀のフレンチでミシュラン1ツ星を獲得した生井祐介シェフが手掛ける広尾「ODE(オード)」
八丁堀のフレンチでミシュラン1ツ星を獲得した生井祐介シェフが手掛ける広尾「ODE(オード)」。料理やお皿に集中して欲しいと選んだグレーを基調とした店内は、シェフたちがプレートを美しく仕上げられる様子を間近に見られるカウンター席のみ。料理はランチ¥6,000(6皿前後)とディナー¥13,000(11皿前後)のコースで、メニューには素材のみが記載されていていますが、これは食の街・東京から発信するフレンチとして、お客さんの創造力を掻き立てるため。料理を一品ずつテーブルにのせたときにビジュアルでインパクトを与え、王道の手法をふんだんに取り入れたフレンチの醍醐味を舌で感じさせるという構成になっています。
「料理を作るうえでいつも心掛けているのは季節を感じさせること。また、食感フェチなので、いろいろ折り重なったときの口の中のリズムも大切にしています。ヒトの味覚はとてもよくできていて、いろいろな味を微細にとらえることができる。そこを計算して火入れから気を遣って料理して、咀嚼することで楽しさにつながるような配置にしています」

料理

「Ode(オード)」前菜として提供されるシグネチャーディッシュ。表面に見えるグレーの破片は、頭と骨ごとミキサーにかけた青魚のメレンゲ。中には牛肉のタルタルと魚のコンフィなどが折り重なる。
メニューはコース料理のみで、前菜として提供されるシグネチャーディッシュ。表面に見えるグレーの破片は、頭と骨ごとミキサーにかけた青魚のメレンゲ。中には牛肉のタルタルと魚のコンフィなどが折り重なる。フランス料理の妙である食感と組み合わせを敢えて伏せ、インパクトを押し出したという一品。
「Ode(オード)」オマールのビスクのスナックで、中身はフォンを煮詰めて風味を凝縮させて生クリームを合わせたムース
訪れたお客さんの緊張をほぐせるようにと世界的マンガをイメージした「ドラ○ン ボール」。オマールのビスクのスナックで、中身はフォンを煮詰めて風味を凝縮させて生クリームを合わせたムース。フォン(だし)をとるときに使ったカカオバターをコーティングし、オレンジに発色させる。

撮影/福田喜一 取材・文/江原裕子

Ode(オード)の詳細情報

店名 Ode(オード)
電話番号 03-6447-7480
URL http://restaurant-ode.com/
住所
東京都渋谷区広尾5-1-32 ST広尾 2F
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営業時間 12:00~13:00(入店)、18:00~21:00(入店)
定休日: 日曜
ジャンル フランス料理

シェフの紹介
生井祐介さん
1975年東京都生まれ。音楽の道を志していたなかで料理に出合い、25歳で食の世界に転向。都内のフランス料理店を経て、2003年より東京・表参道「レストランJ」、長野・軽井沢「マサズ」にて植木将仁氏に約5年間師事する。軽井沢「ウルー」で3年間シェフを務めた後、2012年11月に東京・八丁堀の「シック・プッテートル」のシェフに就任し、2015年度版ミシュランガイドで一つ星を獲得。2017年9月に独立し、東京・広尾に「ODE」をオープン。