八丁堀のフレンチでミシュラン1ツ星を獲得した生井祐介シェフが手掛ける広尾「ODE(オード)」。料理やお皿に集中して欲しいと選んだグレーを基調とした店内は、シェフたちがプレートを美しく仕上げられる様子を間近に見られるカウンター席のみ。料理はランチ¥6,000(6皿前後)とディナー¥13,000(11皿前後)のコースで、メニューには素材のみが記載されていていますが、これは食の街・東京から発信するフレンチとして、お客さんの創造力を掻き立てるため。料理を一品ずつテーブルにのせたときにビジュアルでインパクトを与え、王道の手法をふんだんに取り入れたフレンチの醍醐味を舌で感じさせるという構成になっています。
「料理を作るうえでいつも心掛けているのは季節を感じさせること。また、食感フェチなので、いろいろ折り重なったときの口の中のリズムも大切にしています。ヒトの味覚はとてもよくできていて、いろいろな味を微細にとらえることができる。そこを計算して火入れから気を遣って料理して、咀嚼することで楽しさにつながるような配置にしています」
料理
メニューはコース料理のみで、前菜として提供されるシグネチャーディッシュ。表面に見えるグレーの破片は、頭と骨ごとミキサーにかけた青魚のメレンゲ。中には牛肉のタルタルと魚のコンフィなどが折り重なる。フランス料理の妙である食感と組み合わせを敢えて伏せ、インパクトを押し出したという一品。
訪れたお客さんの緊張をほぐせるようにと世界的マンガをイメージした「ドラ○ン ボール」。オマールのビスクのスナックで、中身はフォンを煮詰めて風味を凝縮させて生クリームを合わせたムース。フォン(だし)をとるときに使ったカカオバターをコーティングし、オレンジに発色させる。