特集記事

arikoさんに教わるインスタ運営術

スキルアップ
2019年12月12日

季節感溢れる料理レシピや、信頼できる店情報を独自の視点で発信し、12万人を超えるフォロワーに支持されるarikoさん。本職は女性ファッション誌やフード関係の特集記事を手がける編集者。インスタグラム運営のコツを聞きます。

インスタグラムは、雑誌づくり

「インスタグラムの投稿は、雑誌づくりと同じだと想っているんです」と、arikoさんは語ります。
雑誌編集者として積んできたキャリアが、インスタグラムの投稿に活きているそう。具体的にどういったことなのでしょうか。
「フォロワーが私の投稿を見てくれたときに、“おもしろい”とか“参考になった”って、思ってもらえるように意識しています」
arikoさんの投稿にはレシピや店情報に交えて、仕事や家庭でのちょっとしたエピソードも散りばめられています。

ねじり鉢巻きで頑張っていたら、夫がコーヒーを入れてくれた。それならブレイクだと甘いものをつくる。圧力鍋で蒸したさつまいもをバターでソテーしていちじくと合わせ、塩パラパラしてから、煮詰めたバルサミコをかけたホットサラダ。


「ひとつ、注意していることは、投稿をつくりこみすぎないということ。インスタグラムのために料理をつくったり、良い店にわざわざ食べに行ったりはしないようにしています。背伸びをしだすと、宣伝みたいになってしまうと思うから。等身大の投稿を心がけています」

“ちょっと前に”が生む影響力

インスタグラムを更新するタイミングにも、雑誌づくりと同じ考えが寄与しているそうです。
「みんなが同じことを考えるちょっと前に、更新しているんです。たとえば、午後の3時においしそうなドーナツやクッキーの投稿が目に入ったら、『あ、そうだ。食べたい!』ってなりますよね?」
“ちょっと前”のタイミングを意識して更新するだけで、フォロワーからのいいね!はぐっと増えます。時間帯や季節感を意識する先取りの感覚が大切です。
さらに、とarikoさんは続けます。
「投稿に自分なりのストーリーが添えられると、フォロワーの反応は共感へと変わります。焼肉を食べました!という投稿の翌日に『あっさりした物が食べたい』といったお粥のレシピを載せたりすると、わかる!わかる!というコメントが頂けるんです」


arikoさん所有の洋雑誌『Donna Hay』はオーストラリアのフードスタイリストDonna Hayさんの料理雑誌。インテリアの雑誌などに愛着があり、気に入ったデザインのものは海外からも取り寄せるそう。自分の好みのものを集めて普段から見ていると、少しずつ自分の世界観が構築されていくという。

知人からもらったというアヒル型の計量カップ。「使いやすいかはわからないですが、見た目が可愛らしいのでお気に入りの道具です」と普段から愛用している私物をarikoさんに披露していただいた。

フォロワーとの一体感が醍醐味

arikoさんはインスタグラムの投稿について、「人柄が出ることが大切」と一貫して語ります。
「肉が好きであれば、肉料理をひたすら投稿してもよいと思うんです。そこに自分なりの想いが加われば、きっと共感してくれる人がフォローしてくれます」
arikoさん自身、共感してくれたフォロワーに背中を押してもらった経験があるそう。
「息子の受験期に、夜食や試験日につくった朝食の投稿をしていたんです。そうすると、たくさんの方が応援コメントを寄せてくださって、すごく励まされました」
現在は12万人を超えるフォロワーに支持されていますが、当時は1万人にも満たない程度。その頃がフォロワーとの一体感もあって、一番良かったのかもしれない。とarikoさんは懐かしそうに振り返ります。
「みんなで同じ世界観を共有できていたように思います。それがインスタグラムの醍醐味かもしれませんね」


インスタグラム用に撮影するときのスタイリングは、極めてシンプル。画像調整も最小限にとどめ、温かみが伝わる写真になるよう意識しているそうだ。

1 2

撮影/土田凌 取材・文/河野大治朗

ariko

『CLASSY.』、『VERY』、『HERS』の表紙やファッション、食関係等の企画を担当する編集ライター。
大学生の息子と夫の3人家族。 おいしそうな料理にセンスあふれる器使い、信頼できるお店情報など、おいしいもの好きが注目するインスタグラム「@ariko418」は、現在フォロワー数が12万人を越える人気となっている。 『arikoの食卓』『arikoの食卓 もっと食べたい』(ワニブックス)、『arikoのごはん 私もみんなも好きな味』(講談社)