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arikoさんに教わるインスタ運営術

スキルアップ
2019年12月12日

季節感溢れる料理レシピや、信頼できる店情報を独自の視点で発信し、12万人を超えるフォロワーに支持されるarikoさん。本職は女性ファッション誌やフード関係の特集記事を手がける編集者。インスタグラム運営のコツを聞きます。

その場にある物の魅力を伝える

arikoさんに話を聞く中で、普段どのように写真を撮ってインスタグラムに投稿しているのか、実践していただきました。
「投稿用の写真はすべてインスタアプリで撮っています。基本的には、その場でできる事しかやりません」
そう言って、手元にあった茶菓子を何の気なしに撮ります。
「画像の加工もほとんどしません。手を加えるのは明るさとコントラストと彩度ぐらい。食べ物だったら、自分の中で想うおいしそうなポイントに寄せていく感じですね。この茶菓子だったら、コントラストをつけてカリッとした食感を強調します。焦げ目がもう少し目立ったほうがおいしそうだな、と思ったら彩度をあげます」
投稿用の写真は、3分もかからずにでき上がりました。写真を撮るのも、角度を変えて2、3回ほど。
「完成した写真をつくるというよりは、リアリティのある写真のほうが温かみがあって良いと思います。あれこれ、スタイリングはしません。その場にある物の魅力が伝われば良いんです」


arikoさんの嫁入り道具。コーディネーターのクニエダヤスエさんがプロデュースした食器達。丁寧に手入れが施されていて、30年ほど前に購入したとは思えないほど、美しく輝いていた。
都内にあるarikoさんのキッチンスタジオの壁一面は、美しい藍色だった。一年前に撮影でいただいてから大切に育てているという植物を置いて撮影。「スタジオで撮影するとき、自分の気に入ったアイテムをひとつ入れるだけで血の通った雰囲気になると思います」とarikoさん。

自分のアカウントをつくるということ

「投稿者は何が好きで、何に興味があるのか。背伸びをしないで、等身大のことを伝える事が大切だと思います」
陥りがちなパターンとしては、好きなことを煩雑に投稿しすぎて、何を伝えたいのかわからなくなってしまうこと。料理、ペット、ファッション、様々なジャンルの投稿が入り乱れたアカウントを、ときに見受けることがあります。
ひとつのテーマを決めて、親和性のある投稿を続けていれば、アカウントの性格が出てくるはず、とarikoさんはアドバイスをします。
「せっかく、自分のアカウントをつくるんだから、自分が一番好きになれたほうが良いじゃない。みんなが納得してくれるストーリーさえあれば、それだけで誰かの共感を得るアカウントになります」
そう言って、arikoさんはにっこりと笑います。

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撮影/土田凌 取材・文/河野大治朗

ariko

『CLASSY.』、『VERY』、『HERS』の表紙やファッション、食関係等の企画を担当する編集ライター。
大学生の息子と夫の3人家族。 おいしそうな料理にセンスあふれる器使い、信頼できるお店情報など、おいしいもの好きが注目するインスタグラム「@ariko418」は、現在フォロワー数が12万人を越える人気となっている。 『arikoの食卓』『arikoの食卓 もっと食べたい』(ワニブックス)、『arikoのごはん 私もみんなも好きな味』(講談社)