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料理教室 DECO HOUSE キッチン

2023年02月21日

料理教室を主宰する先生からなる会員組織「Kai House Club」。スタッフが人気の料理教室にお邪魔し、レッスンを受けてきました。先生のユニークなキャラクターと充実したレッスン内容は、料理教室を営む人にも、料理教室を探している人にも、インスピレーションを与えてくれます。

>>これまでに紹介した人気教室はこちら!

旬の野菜と果物をおいしく使い切るアレンジレシピが評判

今回お伺いしたのは、千葉県浦安市にある料理教室「DECO HOUSE キッチン」。主宰の渡邉美穂さんは講師歴20年以上のベテランで、「旬を食べよう」をテーマに、季節の野菜や果物をおいしく丸ごと使い切る家庭料理を提案しています。
レッスンでは、「野菜料理のレパートリーを増やしたい」、「旬のある暮らしを楽しみたい」という生徒さんの声に応え、食材を置き換えながら一年を通して活躍する基本のレシピを中心に紹介しています。

この日は、「春を先取り!菜花と金柑deイタリアン」と題した洋食スタイルのレッスンを開催。旬の菜の花と金柑を使って、スープ、サラダ、メイン、デザートまで6品の料理を作ります。レッスンは実習重視の少人数制で、暦や旬の野菜の話を交えながら楽しく進めていきます。

「”春は苦味”と言われるように、旬の菜の花や金柑には独特のほろ苦さがあり、それがデトックスになります。みなさんも菜の花はおなじみだと思いますが、金柑は丸ごと食べるだけでなく、サラダやメインのおかずにも彩りと栄養化をプラスして、味を際立たせてくれるフルーツなんですよ」と渡邉さん。
生徒さんたちも金柑を使ったアレンジ料理に興味津々で、レシピの説明を聞きながら何度も感嘆の声を上げていました。

この日は料理教室の先生も参加する上級者メンバーだったため、生徒さんに作業を振り分けて実習を進めることに。渡邉さんのレシピは、少ない食材を使って前菜からデザートまでアレンジするため、最初に食材を切ってしまえば、あとは調理法を変えるだけで4~5品作れてしまうのが特徴です。

“おいしく丸ごと使い切る”というコンセプトのもと、野菜の皮や切れ端は煮込んで「ベジブロス」にします。
「おいしいベジブロスを作るには、セロリの葉とタマネギの皮を入れるのがポイント。さらに、ニンニクの皮も入れると旨味が出ます。日頃から保存袋にストックしておくと、コンソメいらずになりますよ」

おいしい法則に従って作ったベジブロスは、美しい黄金色に。たっぷり仕込んで、お米から作るリゾットやポタージュに使います。

レシピの中で、生徒さんたちが一番驚いたのは「金柑と里芋のティラミス」。レンジで蒸した里芋にマスカルポーネチーズとハチミツを加えて、チョコレートと金柑ソースをかけて味わうのですが、里芋と言われなければわからないほど、おいしいスイーツに姿を変えました。
レッスンでは、先生が旅先で見つけた”いいもの”を紹介してもらえるのも楽しみの一つで、この日は北海道で見つけた赤いハチミツが登場しました。

ティラミスに使った金柑ソースは、豚肉の菜花巻きにも活用。分厚く切った豚肉で、茹でた菜花と金柑ソースを巻き込み、バルサミコ酢をまぶします。
ここからラストスパート。温かい料理を最後に一気に仕上げるため、先生と生徒さんが連携を取りながら、豚肉の菜花巻き、リゾット、ポタージュを同時進行で調理。最後にシナモンリーフが香るチャイを仕上げて、2時間で6品の料理が出来上がりました。

手前から時計回りに、「ベジブロスで作る菜花と金柑のリゾット」、「金柑と里芋のティラミス」、「金柑と菜花のサラダ」、「シナモンチャイ」、「里芋とベジブロスのポタージュ」、「豚肉の菜花巻き バルサミコ金柑ソース」。少ない食材でも調理法を変えるだけで、バラエティに富んだ食卓になりました。

先生はどんな人?


もともとはライターとして、精力的に活動していた渡邉さん。お子さんのアトピーをきっかけに食の大切さを実感し、食にまつわる仕事にシフトしていくなかで「おいしくて安全なものを正しく伝えたい」という思いを募らせていきました。

「ライターの仕事を通じて、多くの生産者さんとお会いするうちに、全国にはまだまだ知られていない安全でいいものがたくさんあることに気付かされました。そして、どうしたらそれを正しく伝えられるかを考えた時、”おいしい”を形にできて、生産者さんの想いも届けられる料理教室やフードコーディネートの仕事が最適だと思い、料理の道へ進みました。食べ物は体を育むだけでなく、心も育む不思議な力を持っています。単に料理を覚えたいだけなら、今はネットで調べられるので、食べること・食べる物を作ることと誠実に向き合う人たちをつないで、人生を楽しく健康に過ごすお手伝いをしていきたいです」

撮影/田尻陽子 取材・文/田辺千菊

生徒の声

・「先生とは7〜8年前に開催されていた料理教室に参加以来、食の趣味が合うことからお互いにイベントに誘い合うお付き合いに。もともと料理を作るのは好きでしたが、先生のレシピは目から鱗なものが多く、食材の合わせ方も勉強になります。毎日インスタに朝食をアップしているのですが、先生に会うたび誉めてくださるので励みになります」

・「コロナ禍に、先生のオンラインレッスンをネットで見つけて参加しました。先生のレッスンは旬の食材を使うので手に入りやすく、習ってすぐ作れるので記憶に残ります。自分でも料理教室を主宰しているのですが、とても学びが多く、対面レッスンでは先生の明るくて優しいお人柄がより伝わってきて和みます」

・「先生とは仕事でお会いして、食事会などを通じて親しくさせていただき、料理教室にも参加するようになりました。先生のレシピは日々の料理に旬の食材を取り入れるので、ひと手間加えるだけでワンランク上の料理になるのが魅力。生徒さんも食に精通している方が多く、食にまつわるさまざまな情報を教えてもらえることにも刺激を受けます」

教室主宰者紹介


渡邉美穂さん

企業の料理サークルで約8年、その後カルチャースクールで約10年、2017年からは自宅開催の料理教室「DECO HOUSE キッチン」を通して「旬を食べよう!」を提唱する料理教室を主宰。食育講師やメニュー開発、農産物のブランディングなど、生産者と消費者をつなぐ活動にも積極的に取り組み、ライター、フードコーディネーターとしても活躍。

SCHOOL INFORMATION


名称:DECO HOUSE キッチン
エリア:千葉県浦安市

対面で行う「旬丸ごと使い切り・家庭料理クラス」は、春・夏・秋冬の3シーズン3回に分け、不定期で開催。主菜・副菜・サラダ類・デザートの4~6品を実習形式で作ります。受講料は1回6,000~8,000円。お申し込みは公式LINEまたはBASEショップで参加チケットを購入。対面のほか、毎月第4土曜日にインスタライブで旬のレシピを紹介する「わくわく定期便」やオンラインと録画編集動画配信でレッスンを行う「旬献立定期便」を開催。そのほか、出張料理教室や直売所などで「旬をたべよう!」を伝える教室を開催中。
https://www.decohousefood.com/
https://www.instagram.com/decohousefood/