知っているようで知らなかった、目からウロコのとっておきセミナー
料理家にとってレシピとは、自分を表現し、自分の料理を伝えるための大切なツール。わかりやすく、正しいレシピを書くことができれば、料理家としては強い武器を手に入れたと同義です。
そこで、「Kai House Club」が会員の料理家に向けて企画したのが「レシピの書き方」セミナー。講師を務めるのは、“食”が主役のライフスタイル・マガジン『エル・グルメ』で長くエディターとして活躍している宇多聡子さんです。宇多さんは編集者として、これまで1,000を超えるレシピに目を通してきた、いわば“レシピの目利き”。ファインダイニングを営むシェフから人気店のパティシエ、居酒屋の店主、著名な料理家、さらには料理家志望者など、さまざまな人たちが書いたレシピに向き合ってきたこれまでの経験を元に、料理教室を主宰する「Kai House Club」の会員たちが知っておくべきポイントを、わかりやすく解説してくれました。
料理家に国家資格がないように、そもそもレシピには法に基づいた書き方や用語の決まりがありません。雑多なレシピが幾千幾万と世には溢れているわけですが、おしなべてレシピに求められるのは、“わかりやすさ”。料理の素人が見ても途中で戸惑うことなく最後まで作れる、写真が掲載されていなくても文字だけできちんと手順が伝わるといったレシピが理想的なのだと、宇多さんは話します。
「私が思う良いレシピとは、レシピの書き手である料理家のファンになってもらうための道具になるもの。“すごくわかりやすい”、“何回か作っていたら、頭の中にすんなり入ってきてすぐに覚えてしまった”、というような、的確にまとまったレシピが、それに当たります。料理教室の先生であれば、生徒が自宅で再度レシピを見返したときに、作り方がありありと頭の中で再現できるようなレシピを意識するといいですね」