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料理家は“雰囲気美人”を目指そう!

スキルアップ
2019年04月17日

多くの生徒のハートをつかむ料理教室主宰者とは、具体的にはどんな人なのでしょうか。特に気になるのは、そのビジュアルや雰囲気。「またこの先生に会いたい」「先生のようにきれいで料理の上手な人になりたい」と生徒に思ってもらえたら、やはり本人もうれしいしビジネスにも効果ありです。けれど私は美人じゃないし……などとあきらめるのはちょっと待って! 実は雰囲気の美しさは育てることが出来るものなのです。著書『雰囲気からして美人』が話題となっている、トータルビューティーカンパニー「uka」代表でネイリストの渡邉季穂さんに、その秘密を伺いました。

若作りより、自分をきちんと知ることが美しさの基本

「近頃、『雰囲気からして美人』という本を出版したのですが、サロンで毎日多くのお客様とお会いしていて感じるのは、今の人は基本的にみんなきれいだということ。どちらかというと、やりすぎ、若作りのしすぎのほうが問題なんじゃないかな」と言う渡邉さん。まだまだ日本には若い女性を支持する流れが根強く存在し、年齢を重ねると「諦めるか抗(あらが)うか」という選択になってしまっている人が多いというのです。
「ヨーロッパでは女性の魅力は40代から、と考える人もたくさんいると思いますが、そういう熟成の魅力というのは、“その人らしさが表現できていること”“自分に自信を持っていること”がカギになるのではないでしょうか。自分のいいところをちゃんと理解して、自分に自信を持っていれば、それだけでみんな美しい雰囲気をまとえると思います」と渡邉さん。

自分への信頼が、いい雰囲気のオーラを生み出す

では、周囲の人にその「美人の雰囲気」を感じさせるのは、具体的にはどんなシーンなのでしょうか。
「静止した顔形やスタイルではなくて、ちょっとしたしぐさや立ち居振る舞い、おしゃべりの仕方、そういうところに、心の余裕のようなものが感じられれば、いいオーラとして醸し出されていくのではないでしょうか」。
それは、自分に自信を持ち満足していることから生まれるものだと、渡邉さん。
けれどSNSのフォロワーがなかなか増えないとか、生徒が思うように集まらないなどの状況が続けば、日々自信を喪失することもあるでしょう。そんなとき、他の人の真似をしないことも大事、と渡邉さんは言います。
「今では大人気となった料理教室の先生や、何万人のフォロワーがいる料理家さんも、最初は一人のファンから始まっているはず。それでも自分のスタイルを貫いたからこそ、同じ価値観を持つ方々からの共感が広がっていったのだと思います。今あなたの身近に共感してくれる人が少なくても、世界中には必ずもっといますから、まずは今の自分を信じて貫くことが重要だと思います。不安そうにブレて試行錯誤することこそ、いい雰囲気を崩す原因になるのではないでしょうか」

「爪と髪」で健康と清潔を感じさせる

とはいえその「自分のスタイル」が見つからない、という人にとっては何から始めるかは重要問題。そこでまず、圧倒的大多数の人から好感を持たれるポイントを教えてもらいました。
「突き詰めるとそれは、健康、元気、清潔、ということでしょう。ファッションのテイストやメイクの好みなどは人によって違うかもしれませんが、基本的なお手入れがきちんとされている姿を、嫌いとかつまらないと感じる人はほとんどいないと思います」。
その「健康、元気、清潔」を感じさせるうえで大事なのが、爪、髪の“ツヤ”だと言います。
「クールとか、スタイリッシュとか、エレガントとか、キュートとか、知的とか、それぞれその人の持つ雰囲気的な魅力は異なるものですが、すべての人にとって、ベースの爪や髪にツヤがあるのはプラスに働くはず。その人らしい個性をイキイキと光らせるのに必要な要素だと思います」

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子

お話を聞いた人●渡邉季穂さん
トータルビューティカンパニーuka代表取締役/ネイリスト
サロンワークや美容師・ファッション誌などの媒体での創作をメインに、後進育成のためのセミナー講師としても活動。素材の美しさを引き出すケアを重視した独自のネイル技術の普及に努める。技術・経験・センスには定評があり、各界著名人やビューティー関係者からの信頼も厚い。またネイリストとしてだけでなく、美容の新しい価値観を提案するトータルビューティーカンパニーukaの代表としてサロン経営、ブランドの立ち上げから製品開発までディレクション業務を手がける。