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好印象・好感度UPのための話し方

スキルアップ
2018年04月16日

多くの人にとって、「会話」なくしてクライアントや取引先、お客様とのコミュニケーションが完結する職業はとても少ないでしょう。料理家ももちろんそう。料理家は「料理の作り方を教える人」「料理の魅力を伝える人」など、「話す」という行為を通して料理にまつわるコミュニケーションを行う人です。そのツールである「話し方」が好印象であることはとても重要。与える印象が良ければ、仕事相手や生徒とも円満な関係を築くことができ、「また一緒に仕事をしたい」「また習いたい」という気持ちへと繋がります。今回は、話の達人であるフリーアナウンサーの小泉恵未さんにアドバイスをいただき、料理家にとって必要な、好感度の高い「話し方」とはどんなものか、どうすれば身につくのかを紹介します。
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好感度が高い人の特徴

では逆に、好感度の高い人はどんな話し方をしているのでしょうか。特徴として言えるのは、「自分が」何を話すか、どう見られるか、ということに軸があるのではなく、「相手が」理解できるか、楽しめるかといった、相手側にゴールを設定している人です。「それは相手次第」と諦めるのでなく、話し手であるこちら側ができる努力や工夫を考えてみましょう。

好感度を上げる7つの話し方

実は小さなテクニックの積み重ねで、好感度はガラリと変わります。また実際にやってみると、自分がいかにできていなかったかということにも気づくでしょう。例えばこんな7つの話し方テクニックを実践してみてください。

1)聞き上手になる

人は自分の話をきちんと聞いてくれる人に好意を感じ、心を開き、満足します。相手の目を見て、頷いたり微笑んだりと反応を示しながら、話を最後まで聞くこと。そこに無理に「気の利いた感想やアドバイス」を添える必要もありません。ただ聞く、というのも大事な「話し方」テクニックです。

2)最後にポジティブなことを言う

物事にはポジティブな面とネガティブな面があるでしょう。特にビジネスでの会話であれば、アイデアは良くても予算や時間、設備に無理がある、といったこともあると思います。それらを会話のなかでどの順番で言うかは重要です。「これから考えなくてはいけない問題がたくさんありますが、それがクリアできればとても魅力的な企画になりますね」などと、最後に前向きな表現を持ってくることで、相手はあなたに好印象をもち、より友好的な関係を築けます。アシスタントさんなどに注意をする時もこの順番で「●●は気をつけてね。でもいつも助かっているのよ」などと、ほめたり励ましたりする言葉を最後に伝えましょう。

3)会話の中に相手の名前を出す

特に初対面の方やまだ距離のある関係の方に、「●●さんはどう思いますか?」などと相手の方の名前を入れてコミュニケーションしてみてください。同じ内容でもより親密になり、相手も自分を尊重してくれていると感じて、より熱心に接してくれるようになるでしょう。

4)結論から先に話す

今から何を話そうとしているのか、知っているのはあなた側だけです。遠慮したり、論理立てて話そうとするあまり、理由や状況を先に、結論を最後に持ってこようとすると、相手は「何がいいたいのかな?」と聞いている間じゅう頭の中にハテナマークが広がり、内容に集中できません。また「奥歯に物の挟まったような言い方だ」と、不信感を抱く人もいるかも知れません。最初に「今回は●●が良いと思います。なぜかというと…」というように、先に結論を伝え、その上で理由を話すという構成にすると、相手も心の準備をして聞くことができ、心地よく会話が進みます。

5)欠点や失敗談を自分から話す

「好感度を下げる話し方」で自慢話をする人を挙げましたが、反対に失敗や弱点を自ら晒す人に相手は人間味を感じ、好印象を受けます。特に相手の方の失敗に対して「私もよくやっちゃうんですよ」などとフォローすることができれば、相手は救われたような気持ちになるでしょう。もちろん、社会人として信用を欠くような致命的な欠点は伏せておき、改善の努力をすべきですが!

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撮影/北川鉄雄 取材・文/吉野ユリ子

プロフィール
話を聞いた人 小泉恵未さん(Emi Koizumi)
フリーアナウンサー。「東京メトロポリタンテレビジョン」では報道をはじめ、さまざまな職場に勤務したのち、フリーに転身。現在も多くのメディアに登場し、報道からバラエティまで幅広く活躍中。