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動画クリエイター はるあんさん

インタビュー
2020年09月15日
料理人をはじめ、料理にまつわるスタイリストやフードコーディネーター、カメラマンなど、食を支えるクリエイターのインタビューをお届けする連載。料理への向き合い方、仕事観、読者のスキルアップのためのノウハウなど、食を支え、未来を描こうとする様々な職種の方々の料理に対する考えや思いを伺います。

はるあんさんは、高校1年生の6月にYouTubeへの動画投稿を開始すると、4年間で動画投稿数は500本を超え、2020年にはチャンネル登録数75万人を突破。常時、再生回数10万回を上回る料理系動画の人気クリエイターになりました。

アフターコロナ・ウィズコロナの世界に向けて様々な人たちが参入している動画市場のなかで、どのように人気動画クリエイターになっていくか。それは、はるあんさんが実践している「楽しく動画を作り続ける」がキーワードになりそうです。

動画制作をしてみたくて始めたYouTube

小学校高学年の頃から家事を手伝っていたはるあんさんにとって、「家族に喜んでもらえる」料理は、一番好きな家事でした。中学生になると好きが高じてオリジナルレシピを考案するようになります。さらに高校生になると、動画編集に興味をもち、得意だった料理の動画をYouTubeに投稿をしはじめます。

「最初は、父のお下がりの古いパソコンを借りて動画制作を始めました。だから動画がなかなか動かなくて、カクカクってなっちゃうんですよ(笑)。それでもマウスをカチカチやりながら、インターネットで調べたり、YouTubeで編集の仕方を見たりして独学で勉強しました」

学生生活を送りながらYouTubeに動画を投稿していく。始めは「遊びの感覚でのんびりやっていました」というはるあんさんに転機が訪れたのは、2年ほど前。はるあんさんが所属する「UUUM」の懇親会に初めて参加したことでした。

「ある方から、今の私のチャンネルの状況について色々とアドバイスをもらったんです。その頃はチャンネル登録者数が7000人から1万人くらい。私はそれで満足していて、登録者数100万人なんて、私とは違う世界の話だと思っていました。でもYouTuberとして活動するなら上の世界を目指した方が向上できるということに気がついて、すごく意識が変わりました」。

それから、自分と方向性が似ていたり、目標にしたいと思った国内外の動画クリエイターの動画を見て勉強するようになったといいます。また、これを機に撮影機材のパソコンとカメラも買い替えました。

「チームでの動画制作にも憧れますが、私の場合は、キッチンで一人で作業している様子が観ている人に楽しんでもらえていると思うので、気楽にのんびりとやっていくほうがいいと考えました。その方が世界観も出せると思うんです」

視聴者との距離の近さがYouTubeの良さだと話すはるあんさんは、実際に会ったことがなくても「はるあんちゃんが言うならやってみよう!」と言って料理を作ってもらえたら嬉しいといいます。

「YouTubeは、お友だちがいっぱいいるような感覚の世界だと思うんです。だから私のことも友だちの一人のように捉えてもらえるととても嬉しいですね」

「観てくださっているのは、私と同い年かちょっと上、20代から30代の女性が多いような印象です。もちろん、私より年下の子もいて、『はるあんちゃんの動画を見て、初めて料理に挑戦してみました』と言ってくれることもあり、とても嬉しいです」

 

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撮影/大平正美 取材・文/江六前一郎

動画クリエイター はるあんさん

料理好きが高じて、2016年、高校1年生からYouTubeに投稿を開始。料理・撮影・編集など自身の世界観を大切にするため、こだわりを持った動画制作を行っている。真似したくなるメニューばかりで、「作ってみました!」とSNSで多く反響を呼んでいる。
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