出版とレストラン 2つの軸への思い

インタビュー

初めてのレシピ本を出版したり、レストランをオープンしたり。食に関わる仕事でひとつの夢を叶え、ターニングポイントに立った話題の料理家のインタビューをお届けする新連載が始まりました。「何かはじめたい」という思いを持った人へ、一歩踏み出すためのヒントに溢れています。

2019年10月29日

お店の入り口を照らす、看板がわりの小さなランプ。「A TABLE」には「ごはんですよ!」という意味もあります。

『HITOTEMAのひとてま』には、これまで提供してきた料理のなかから、100回以上出しているという「長芋のグラタン」、1年中作っている得意料理「HITOTEMA麻婆豆腐」、母のレシピを引き継ぐ「いくらご飯」に、季節の食材をシンプルに味わうレシピなど「現代版のおふくろ料理」が載っています。
「選ぶ食材は手に入りやすいもので、調理の過程もシンプルです。レストランのシェフの料理とは違って、お母さんが家で作るものって、『体にいいからこれも食べなさい』と、苦手な食材も組み込まれていたりするじゃないですか。料理本を完成させたことで、自分のやっていることはレストランビジネスというよりも自分自身の表現活動に近いんだな、私が作りたい、食べさせたい、広めていきたいのは、この『日本のおかん魂』なんだな、ということがクリアになりました」

「息子が4歳になって抱っこが少なくなったので、アクセサリーもつけられるようになりました」と話す谷尻さん。

お任せコースの最初に登場することも多い自家製コーラ。スーパーフードやスパイスで作られます。

大好きな金継ぎを日常使いに。「HITOTEMA」で金継ぎワークショップを開催することもあります。

信頼できる人のアドバイスを大切に

 料理人として店を持ち、料理本を出版。この秋にはキッチンスタジオをスタートする予定だという谷尻さん。夢を形にする秘訣をうかがったところ「自分を知ってくれている人にアドバイスやヒントをもらうこと。センスが合うな、と思う相手であれば、有名か無名かは関係ないし、大切なのは自分の料理を食べてくれて、人となりを知ってくれている人の意見だと思うんです。逆に、あまり近しい関係じゃない人には、自分がどんな人間なのかをプレゼンしたうえで相談するという手もあります。自分が何をしたいか、どんなことを考えているかを明確にしたら、失敗してもいいくらいの気持ちで行動を起こす。チャレンジすることが大切だと思います」

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撮影/湯浅 亨  取材・文/鳥澤 光

谷尻直子さんプロフィール

たにじり・なおこ/東京・渋谷にある完全予約制のレストラン「HITOTEMA」を主宰しています。ファッションのスタイリスト、アパレルブランドのプロデュース、食アーティスト・諏訪綾子のPRなどを経て料理家に転身。4歳になる息子を育てながら、フードプランナーとして、食や器を軸にしたプロジェクトでも活躍しています。Instagram:@naokotanijiri_hasegawa

HITOTEMA

東京都渋谷区富ヶ谷2-14-6 2F

営19:00~22:00LO

毎月10日前後に予約日を設け、FacebookのDMで予約リクエストを受け付けています。料理メニューはお任せコース8品¥6,500。ペアリング、ノンアルコールのペアリングにも対応しています。

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