芽吹き

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。Kai House Club会員でもある先生方が考案する、教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

レンジで手軽に作れる春の訪れを感じさせる和菓子

自宅でも簡単に再現できる和菓子に定評があるせのおようこさん。今回は、春の訪れを感じさせる芽吹きを表現した、淡い緑色が印象的な「芽吹き」を教えていただきました。ういろう生地と味噌餡の組み合わせは、せのおさんも大のお気に入りだそうです。

「和菓子は敷居が高いと思っていらっしゃる人も多いと思いますが、ポイントさえ押さえれば意外と簡単です。今回のレシピでは、餅生地に4種類の粉を使っていますが、それぞれに役割があるので省略しないでくださいね。粳米から作られた上用粉は粒子が細かいので、むちっとした中にも柔らかさのある餅生地になり、ここへ餅米から作られた白玉粉をプラスしてもっちり感を出しています。浮粉はより食感をよくするために加えます。本葛粉はたった2gですが、これを入れるのと入れないのでは、歯切れの良さが段違いですので、ぜひ使ってみてください」

気をつけるべきポイントはありますか?
「山椒木の芽味噌に使う白味噌は、メーカーによって塩分や甘さが異なるので、好みで砂糖の分量を加減してください。白味噌は上白糖と混ぜ、熱を加えたほうが味噌の香ばしさがたちますが、焦げやすいので気をつけてください。今回はレンジで加熱する方法をご紹介していますが、機種によって加熱時間は異なりますので、様子を見ながら調節してみてください」

どんなシーンにおすすめでしょうか?
「日本人ですし来客時に和菓子が出せると素敵ですよね。私もおもてなしの際にお出ししていますが、とても喜んでいただけます。この生地は、乾燥しないようにラップに包んでおけば翌日でも硬くなりにくいので、前日から作っておくのもいいですよ。煎茶と一緒に、ご自分のおやつとしていただくのもいいですね」

樹木から芽吹く新緑からイメージした、春の訪れを祝うかのような繊細な和菓子です。ういろうならではのもっちりとした食感に、爽やかな木の芽が香る味噌餡の上品な甘さが響き合い、新鮮な味わいです。春のうららかな陽気を感じる午後のティータイムに、大切な人と一緒にどうぞ。

2020年03月3日

レシピ作成
せのおようこさん
調理時間
30分 ※内準備時間0分

材料4個分

A山椒木の芽入り味噌餡

白餡
100g
西京白味噌(撮影では京都の「石野味噌」を使用)
18g
上白糖
4g
山椒木の芽(刻む)
3〜4枚
水飴
3g

B餅生地

上用粉
35g
白玉粉
15g
浮粉(片栗粉でもよい)
5g
本葛粉
2g
上白糖
35g
水
70g
色粉(黄色と青色)
各ごく少量

仕上げ

あれば氷餅(または粉末オブラート)
適量
飾り用木の芽
4枚

手順

  1. 1

    山椒木の芽入り味噌餡を作る。耐熱ボウルに白餡を入れ、ラップをかけずに電子レンジに入れる。500Wで30〜40秒くらいずつ、様子を見ながら加熱する。水分が飛び、餡をヘラでこすって表面がささくれるくらい硬めの餡にする。

  2. 2

    別の耐熱ボウルに、上白糖と西京白味噌を入れ、ラップをかけずに電子レンジにかける。500Wで20秒が目安。砂糖を溶かす適度に温めればよい。

  3. 3

    1のボウルに2を加えて混ぜ合わせ、ラップをかけずに再度電子レンジで加熱する。500Wで40秒が目安。餡から湯気が出るくらいに温めたら取り出し、水飴と細かく刻んだ山椒木の芽を入れて混ぜ、水で濡らして硬く絞った布(30cm四方の、厚手の綿ハンカチなどでもよい)の上に取り出す。

  4. 4

    3の粗熱がとれたら、15gずつに分けて丸め、あん同士がくっつかないよう布の上に置き、表面が乾かないよう濡れ布巾をかけておく。

  5. 5

    餅生地を作る。耐熱ボウルに白玉粉と本葛粉を入れ、分量の水のうち25gくらいを少しずつ加えながら、ゴムベラで丁寧に溶く。白玉粉をすり潰すようにすると早く溶ける。ダマができていないことを確認したら、残りの水をすべて入れて混ぜる。

  6. 6

    ふるった上白糖と上用粉、浮粉を5に入れ、粉っ気がなくなるまで泡立て器でよく混ぜる。

  7. 7

    黄色と青色の色粉を小皿に入れて黄緑色を作り、少量の湯で溶く。

  8. 8

    7を竹串の先にとり、6に少しずつ加えてお好みの黄緑色に染める。

  9. 9

    8のボウルにふんわりラップをかけ、500Wで1分30秒電子レンジにかける。

  10. 10

    ラップを取り、水で濡らしたゴムベラで餅生地をよく混ぜ合わせ、再度ふんわりラップをかけ、500Wで1分電子レンジにかける。これをもう一度行う。

  11. 11

    10を水で濡らしたボウルに入れ、ゴムベラで生地をボウルのへりに沿わせてしっかりとのばす。最後にカードで生地をまとめて取り出す。

  12. 12

    手に水をつけて11の生地を30gに分割し、生地を丸めて形を整える。手のひらで押さえて生地を平らにし、4の味噌餡15gずつを包餡する。

  13. 13

    生地の表面に木の芽を貼り付け、あれば、粗目のふるいで裏漉した氷餅をまぶす。

撮影/結城剛太 スタイリング/鈴木裕子 取材・文/岡井美絹子

せのおようこさん

PROFILE

「和菓子Labo一陽」主宰。割烹料理を営んでいた夫の影響で和菓子に興味を持つようになり、本格的に学び始める。和菓子の基本である、こし餡の炊き方から教えてくれるレッスンは、初心者でもマスターできると好評。また、自宅ですぐに復習できるよう、持ち帰りの材料付きというのも親切。レッスンは、入会金なし、チケット制(3回33,000円〜)。期間限定で体験レッスンもあり。申し込みはHPのフォームから。
https://ichiyoko.com

Instagram:@ichiyo_labo