
造り酒屋のような杉玉と深い緑色の外観は、かつてここで営業していた「傳」から受け継いだもの。
エントランスを抜けて広がるのは、割烹風のカウンター席と対面するオープンキッチン。15,000円のお任せコースのみで、それぞれのお料理にスープが付く「スープペアリング」を提案している点もユニークです。
「ピッツァ デリバリー」。コースの始まりは、デリバリーピザのようなボックスに入った遊び心溢れる一品。新潟県のブランド米「新之助」と白ポレンタを使用した薄手の生地に、モルタデッラハムやトマトソース、マッシュルーム、ブッラータチーズなどを重ねています。パリッと軽やかな生地にハムやチーズのコクと旨み、マイクロリーフやエディブルフラワーのシャキシャキとした食感のコントラストが心地よい印象をもたらします。可憐なブーケのような色使いも期待感を盛り上げてくれます。
「鰹 生ハム」と「ケッパー 台湾胡椒のスープ」。もともとは、食材同士の色味の相性から発想したというお料理。薄くスライスされた生ハムの塩味と軽く漬けにしたみずみずしい鰹の風味、互いが持つ鉄分の旨みが咀嚼するごとに口の中で一体化する、不思議な感覚と未知の美味しさです。合わせるのは、塩抜きしたケッパーと水に台湾胡椒を香らせたスープ。淡く繊細な味わいながら、インパクトのある料理をしっかりと引き立ててくれる、絶妙のバランスです。