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楽しさのあるイタリアン アルテレーゴ

レストラン
2019年08月28日
今年2月、千代田区神保町、日本料理の名店「傳」跡地に注目のイタリア料理店「ALTER EGO(アルテレーゴ)」がオープンしました。イタリアで初めて、日本人オーナーシェフとしてミシュラン一つ星を獲得した「Ristorante TOKUYOSHI」の徳吉洋二さんが手掛けるお店です。「分身」を意味する店名の通り、本店でスーシェフを務めた、徳吉さんの“右腕”である平山秀仁さんが看板を預かります。

造り酒屋のような杉玉と深い緑色の外観は、かつてここで営業していた「傳」から受け継いだもの。

エントランスを抜けて広がるのは、割烹風のカウンター席と対面するオープンキッチン。15,000円のお任せコースのみで、それぞれのお料理にスープが付く「スープペアリング」を提案している点もユニークです。

「ピッツァ デリバリー」。コースの始まりは、デリバリーピザのようなボックスに入った遊び心溢れる一品。新潟県のブランド米「新之助」と白ポレンタを使用した薄手の生地に、モルタデッラハムやトマトソース、マッシュルーム、ブッラータチーズなどを重ねています。パリッと軽やかな生地にハムやチーズのコクと旨み、マイクロリーフやエディブルフラワーのシャキシャキとした食感のコントラストが心地よい印象をもたらします。可憐なブーケのような色使いも期待感を盛り上げてくれます。

「鰹 生ハム」と「ケッパー 台湾胡椒のスープ」。もともとは、食材同士の色味の相性から発想したというお料理。薄くスライスされた生ハムの塩味と軽く漬けにしたみずみずしい鰹の風味、互いが持つ鉄分の旨みが咀嚼するごとに口の中で一体化する、不思議な感覚と未知の美味しさです。合わせるのは、塩抜きしたケッパーと水に台湾胡椒を香らせたスープ。淡く繊細な味わいながら、インパクトのある料理をしっかりと引き立ててくれる、絶妙のバランスです。

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撮影/平松唯加子 取材・文/木村千夏

ALTER EGO(アルテレーゴ)の詳細情報

店名 ALTER EGO(アルテレーゴ)
URL https://alterego.tokyo/
住所
111
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ジャンル イタリア料理

シェフの紹介
平山秀仁(ヒラヤマ ヒデヒト)さん
1986年、栃木県出身。高校卒業後、東京の調理師専門学校へ進学。卒業後に都内イタリア料理店で経験を積み、29歳で渡伊。アルバ郊外の店を経て、開店から10カ月でミシュランの星を獲得したミラノの「Ristorante TOKUYOSHI」徳吉洋二シェフと出会い、3年間ほど同店のスーシェフを務める。今年2月、「アルテレーゴ」オープンにあたり、徳吉シェフより同店を任される。