
目指したのは、自身の豊富なキャリアの集大成となる「グランメゾン」。ホワイト、シルバー、グレーを基調とした店内は、デザイン会社と調整を重ねて実現したもの。「今までは料理のことだけ考えいればよかったけれど、店を構えると決めることや考えを貫くことなどが多い。でも自分の名前を掲げた店で、技術やフランス料理に対する思いのすべてを注ぐことができるため、やりがいがあります」
料理やサービスはもちろん、グランメゾンに訪れたお客様には非日常の「特別感」を感じてもらうことも欠かせない要素。繊細な加工を施したカトラリーや店名入りのプレートは、フランスの老舗ブランド「クリストフル」のものを採用しています。
では、お料理の紹介にうつりましょう。メインは、「シャラン産クロワゼ鴨胸肉 オリジナルスパイスでロティ トリュフ香るポムクルスティアンを添えて」(ディナーコースからの一品)。胸肉やモモ、ささみや砂肝をそれぞれの調理法で仕上げ、内臓はそぼろ状にして使用。「食材のコストは惜しまないのが私の考え方。サイズは小ぶりだけれど良い鴨が手に入れられたので、素材への愛情をこめてすべてを一皿に盛り込みました」