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三軒茶屋 ロス・タコス・アスーレス

レストラン
2019年01月10日

世界中のフーディーから熱い視線を集めているメキシコ料理。なかでも「タコス」がビッグトレンドとなり、その波が日本にも押し寄せています。今月は、自由な発想でアレンジしたモダンタコスを提供する話題のお店を訪ねました。

伝統と新しさが交錯する、メキシコのソウルフード


2018年9月、東京・三軒茶屋にオープンした「ロス・タコス・アスーレス」は、メキシコ人シェフがメキシコのソウルフードの「タコス」を、クリエイティブな発想で楽しませてくれる専門店。素材選びから食材の組み合わせ、製法、プレゼンテーションなど、新しさと伝統を織り交ぜた温故知新なアプローチが人気です。タコスは、とうもろこしの粉や小麦粉を練って薄く伸ばして焼いたトルティーヤに、肉や野菜、チーズなどの具材を挟んでサルサ(ソース)を添えて食べるのが一般的ですが、トルティーヤの原料に店名にもある“青”(=Azules)い粒のブルーコーンを使用しているのが特長です。

「青いとうもろこしだからいい、というわけではありません。ブルーコーンは、メキシコの田舎では普通に食べられているものの、都会では見られなくなったメキシコの在来種。僕がブルーコーンを選ぶのは、まず味が良くて、遺伝子組み換えされていないこと、そして失われつつある伝統的な食文化を守っていきたいからなんです」
こう語るのは、流ちょうな日本語を操り、和食にも造詣が深いオーナーシェフのマルコ・ガルシアさん。メキシコ・オアハカの農家から買い付けるブルーコーンを店内で挽き、サーブする直前に生地を専用の機械でプレス、熱い鉄板で一枚一枚焼き上げています。一般的な品種よりもひときわ甘さと香りの濃いブルーコーンを使い、手作業による伝統的な製法で作るトルティーヤは、メキシコ人をもってしても“別物”という奥深い味わいに。

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撮影/大木慎太郎  取材・文/江原裕子

Los Tacos Azules(ロス・タコス・アスーレス)の詳細情報

店名 Los Tacos Azules(ロス・タコス・アスーレス)
電話番号 03-5787-6990
URL https://www.lostacosazules.jp/
住所
東京都世田谷区上馬1-17-9
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営業時間 水~土18:00~23:00、土10:00~14:00、日10:00~16:00
ジャンル メキシカン

シェフの紹介
マルコ・ガルシアさん
メキシコ・モンテレイ出身。大学時代に日本に1年間留学し、食文化に感銘を受ける。帰国後、料理に関する勉強を始め、メキシコ在住のイギリス人メキシコ料理研究家のもとでブルーコーンを使ったトルティーヤに出合い、その魅力に開眼。モンテレイでブルーコーンタコス専門店「ロス・タコス・アスーレス」を営んだ後、思い入れのあった日本へ再来日。2018年9月に同名のタコス専門ダイニングを東京・三軒茶屋にオープン。