東京・神楽坂の「SECRETO(セクレト)」は、世界一予約が取れないレストランとして知られたスペインの「エル・ブジ」などで腕を磨き、マンダリンオリエンタル東京「タパスモラキュラーバー」のスーシェフを務めた薮中章禎シェフが手掛けるレストラン。薮中シェフの料理人としての25年のキャリアの集大成ともいうべき、多彩なテクニックを駆使した創作料理が楽しめる、刺激に満ちたお店です。
メニューは12~13皿からなるディナーコースのみで、1日10名限定の完全予約制。コの字型の客席前にシェフが立つテーブルのみが設置されたそぎ落とされた空間で、食事が一斉にスタート。薮中シェフが得意とする分子ガストロノミーと正統派フレンチをベースに、個性的かつバラエティ豊かな料理がシェフの調理パフォーマンスとともにサーブされ、五感を全方位から刺激する体験が、最後のデザートまで続きます。
「以前はフレンチをやりたいと思っていたのですが、『エル・ブジ』での経験からジャンルに捕らわれないようになりました。インパクトのある料理ばかりでは肩が凝るので、落ち着く味もあって、お皿はもちろん音楽も含めて、トータルでの強弱のバランスを考え抜いています」
料理をプレゼンテーションしているという薮中シェフが、最も大事にしているのは「基本」。「秘密感のある場所でお出しする料理は、驚きのあるものにしたい。でも、それはおいしいものであることが絶対的です。だから、ひとつの料理で部位によって塩加減を変えたり、火入れを工夫したりと、料理の本質を極めたいと思っています。何のためにその調理法にして、その素材や調味料を選ぶのか、常に自問自答しながら作っています」。おいしいもを楽しんで食べて欲しいというシンプルな想いが、幅広く奥行きのある料理や手厚いサービスを生み、壮大な演出を伴うフュージョンとして具現化されているといえるでしょう。
特集記事
五感を刺激する料理 セクレト
食の新たなジャンルとして注目を浴びつつある「イノベーティブ・フュージョン」。そんな未知の食体験ができるレストランが、東京・神楽坂の住宅街の一角にある「SECRETO(セクレト)」。スペイン語で“秘密”という名を持つこの場所で、毎夜繰り広げられている秘密の美食会には、どんな驚きが待っているのでしょうか?
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撮影/平松唯加子 取材・文/江原裕子
SECRETO(セクレト) の詳細情報
店名 | SECRETO(セクレト) |
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電話番号 | 03-6265-3664 |
URL | http://secreto-tokyo.com/ |
住所 |
東京都 新宿区 二十騎町2-23
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ランピオンイゴー102 |
ジャンル | イノベーティブ・フュージョン |
シェフの紹介
薮中章禎(ヤブナカ アキヨシ)さん
1975年生まれ、石川県出身。飲食店を営む両親のもとで育ち、18歳で料理の道へ。京都のホテルのレストラン、ビストロを経て、1999年に渡欧。フランス「ル・プティ・ニース」、スペイン「エル・ブジ」「ドス・パリージョス」といった星付きレストランで研鑽を積む。帰国後、マンダリンオリエンタル東京「タパスモラキュラーバー」のスーシェフを6年間務め、独立。2017年10月、東京・神楽坂に「SECRETO restaurant」をオープン。