
先生はどんな人?
まだまだ巷に個人の料理教室が少ない30年前から、当時の自宅で教室をスタートさせた槻谷さん。その後、ニューヨークなどでの駐在生活を経ながら、銀座のキッチンスタジオで教室を再スタート。13年間銀座で教室を運営後、2020年、銀座からここ信濃町にキッチンスタジオを移転しました。槻谷さんの明るくパワフルなお人柄、そして他では学べない料理テクニックが人気で、親子2代に渡って通う方も多いそうです。
「結婚後、夫がロンドンに赴任することになったんですが、当時のイギリスって世界一料理が美味しくないと言われていた頃で(笑)、美味しいものを食べるには自分で作るしかなかったんです。でもその頃は今のようにネットもなく、日本から持って行ったわずかなレシピ本だけが参考書。料理の情報交換は、同じく現地に駐在している方々から学んでいました。それがとてもいい経験になりましたし、失敗することもありましたが、どうすればよくなるかと考えながら作っていたので、基礎力みたいなものが育まれたように思います。
帰国後、近所のお友達やママ友に料理をふるまっていたところ、美味しいから料理を教えてほしいと言われるように。並行してホテルや有名店のシェフに本格的な味を学びに行ったんですが、家庭で再現するのは現実的ではないことも。どう家庭料理に美味しさを落とし込むか、かつ簡単にできるか、常に自分で試行錯誤し、私らしいレシピを考案してきました」
生徒さんたちが絶賛するレシピは、この途方もない努力と料理への情熱から生み出されているのです。
「いつも教室では、“生徒さんの料理の腕を上達させたい”との思いでいっぱいです。お料理はまったく初めてという方には、包丁の持ち方からレクチャーしますし、チャーハンのレッスンでは背中に回り込んで、生徒さん一人ずつ、手の動かし方をお教えしました。家庭料理の定番メニューの肉じゃがも、頂点の味を目指してレシピをブラッシュアップしたりと、研究に余念がありません。
私は常々、料理は、左脳の調理科学と右脳のひらめきが大切だと思っています。料理を美味しくする科学的な理由と、私ならではのアイディアが融合したレシピ、これが私の強みですね。親子二代に渡って通ってくださる方も多いですし、生徒さんが喜んでくださるのが何よりも嬉しいです」