
先生はどんな人?
日本料理界のレジェンド・道場六三郎氏に薫陶を受け、本場フランスでの修行、人に教えることの楽しさに目覚めた人気料理教室での経験を経て、独立してからは27年もの間、生徒さんたちを魅了してきた川名克典さん。生徒さんの中には、25年間も通ってくださっている方もいるそうです。
「僕は、手間や面倒は省きながらも、最高に美味しいものをご提供したいと思っています。家庭では、ビジュアルに頼るのでなく、毎日食べたくなるような料理が必要ですよね。道具や調味料もあれこれ揃えなくても、家庭で再現しやすいように考えています。例えばお菓子を作る際もいろんな型を使うのではなく、僕の場合は一つの型で何種類も作るので、生徒さんにも喜ばれています。
フレンチというと、太るイメージを持つ方もいるかもしれませんが、うちはもたれず、太らないのが特徴。バターもテクニックがあれば、たくさん入っても軽やかに仕上げることができます。
27年間、毎月レシピを生み出す苦労はありますが、こうして教室を続けてきたこと、生徒さんに喜んでいただけていることが、自信になっていると思います。」
教室の一角には、川名さんが愛用している貝印のキッチンツールが置いてあります。川名さんがレッスンで紹介すると、生徒さんがみなその商品を購入したくなると評判なのですが、その秘訣は何でしょうか?
「生徒さんからの信頼は裏切れないので、僕が使ってみて、本当にいい!と思うものだけを紹介しています。実際、デモンストレーションで使う時に、どういうところが他と違うのか、使いやすいのか、分かりやすくお伝えしているだけです。そうすると、自然と皆さんが欲しくなってしまう、という感じですね」
川名さんはなんと、メイクアップアーティストとしての肩書きも持っています。試食後は、川名さんによる簡単メイク講座も開催してくれます。
今日のテーマは“5秒間でアイシャドウ”と称して、マスカラもアイライナーも使わず、クレヨンアイカラーでパパっと印象的な目元に仕上げるテクニックを披露してくれました。
「コロナ禍で今後の活動が不透明な最中でしたが、以前から興味のあったメイクを学ぶべく、メイクの学校に通って技術を身につけました。若い子たちに混じって、最初は講師に叱られながらやっていましたね(笑)。料理もメイクも、人や素材をキレイにするところが似ているなと思っています」