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英語で学ぶ「焼酎セミナー」

イベント
2019年09月18日
「Kai House Club」では、会員である料理教室主宰者に向けて、貝印本社(東京都千代田区)内の「Kai House(カイハウス)」で食にまつわる特別セミナーを定期開催しています。多様なテーマで展開されるセミナーは、料理家にとって役立つ情報が満載。今回は、焼酎ソムリエとして活動するクリストファー・ペレグリニさんと、フード&ワインスペシャリストの小枝絵麻さんから、焼酎の魅力とフードペアリングについて英語で学ぶ「焼酎セミナー」の様子をレポートします。


ペレグリニさんが特に熱を込めて話していたのは、「本格焼酎の魅力はアロマにある」ということ。焼酎はウィスキーやウォッカなどと共に蒸留酒に分類され、その製造方法は連続式蒸留機と単式蒸留機を使うものの2種類があります。そのうち、伝統の製法を受け継いで造られる単式蒸留焼酎は「本格焼酎」と呼ばれ、米、麦、芋など素材そのものの旨味と香りを感じられるのが特徴です。
本格焼酎のテイスティングでは米焼酎、麦焼酎、芋焼酎、泡盛が用意され、加えて相性の良いフードも添えられました。

ワインのように香りを楽しむのがポイントだとペレグリニさんに教わり、いざテイスティング。参加者たちはまず焼酎の香りを確認してから口に含み、風味を楽しみます。次に、米焼酎にはキュウリ、麦焼酎にはクルミ、芋焼酎にはサツマイモ、泡盛にはチェダーチーズと、相性の良いフードを一緒に味わいます。焼酎をひと口飲んで「焼酎って香り高いんだ」と参加者は実感し、さらにフードを合わせることで「香りがいっそう広がる」と、その味わい深さに驚いていました。
 

フードペアリングで焼酎のアロマを楽しむ


焼酎の基礎知識について学んだところで、フード&ワインスペシャリストとして活動する小枝絵麻さんから、焼酎とフードのペアリングについて学びます。小枝さんは「焼酎とフードの相性が良いと、両方が口の中で融合してアロマの余韻が長くなり、味わいが深まります」と話しながら、焼酎と相性の良いメニューをデモンストレーション形式でレクチャーしてくれました。

まずは、「キュウリのディップ ギリシャヨーグルト」(写真左)。米焼酎のロックと合わせるのがおすすめ。前半のテイスティングの際にも米焼酎にキュウリを合わせましたが、こちらのメニューではキュウリ単体では味わえなかった多様な風味を楽しめるよう、ディルやミントといったハーブに、パプリカパウダーなどスパイスを加えています。

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撮影/井上美野 取材・文/松尾友喜

講師紹介
クリストファー・ペレグリニ
焼酎ソムリエ。アメリカ・バーモント出身。日本を訪れた際に焼酎と泡盛に魅了され、外国人では数人しかいない焼酎ソムリエの資格を取得。日本の食文化を紹介するセミナーで講師を務めるほか、インターネット番組のホスト、フードコンサルティング、オックスフォード大学出版局による「The Oxford Companion to Spirits and Cocktail」へ焼酎と泡盛について寄稿するなど、幅広く活躍している。2014年に著書「THE SHOCHU HANDBOOK」を出版。

小枝絵麻
フード&ワインスペシャリスト。イラン・テヘランで生まれ、大学入学までをニューヨークで過ごす。上智大学卒業後、飲食店のコンサルティング企業を経てアメリカ・CIAグレイストーン校へ留学。卒業後にアメリカのプライベートワイナリー「Chalk Hill」で料理とワインのペアリングを学ぶ。帰国後は2008年から米国大使館農産物貿易事務所選任シェフ、2013年からカリフォルニア州の生産者団体「ナパヴァレー・ヴィントナーズ」の駐日代表を務めるなど、国際的に活躍している。

Information
「Kai House Club(カイハウスクラブ)」
正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。