次に、「焼きおにぎり ごぼう味噌のせ」(写真右)。こちらは麦焼酎のお湯割りと一緒にいただきます。おにぎりには玄米を、ごぼう味噌にはかつお節やクルミを使用することで、麦焼酎の香ばしさを引き出しています。
口に焼酎を少し含んでからフードを入れて、最後にまた焼酎を含む。そうすることで、焼酎のアロマをいっそう強く感じることができます。
最後は「サツマイモときな粉のプリン」。プリンにきな粉を使うことで香ばしさが増し、焼酎とのペアリングが格段に良くなります。特に芋焼酎や泡盛との相性が抜群。「料理の素材一つ一つにこだわることで、より焼酎のアロマを引き出すことができます。焼酎はどんな食べ物とも合うと言われるけど、もっとフードペアリングを深めたら楽しみ方が変わりますよ」という小枝さんの言葉に、参加者たちはうなずいていました。
フードペアリングによって、焼酎のアロマが増すことを体験した参加者たち。それぞれの組み合わせを味わうたびに、「香ばしさが増した」「より焼酎の風味を感じられるようになった」といった声が上がり、焼酎とフードペアリングの奥深さに興味深々でした。
今回は、焼酎の基礎知識に始まりフードペアリングを学ぶという盛りだくさんの内容で、焼酎の魅力に深く触れるセミナーとなりました。料理教室を主宰する先生は、“食の伝道師”。国内外ともにあまり知られていない焼酎の楽しみ方を各自のレッスンで発信するというのも、ひとつのテーマになりそうです。
「Kai House Club」では、今後もさまざまな会員限定セミナーを企画中。料理教室の運営や料理家としての活動に役立つ、多様なスキルアップセミナーを開催していきます。
特集記事
英語で学ぶ「焼酎セミナー」
撮影/井上美野 取材・文/松尾友喜
講師紹介
クリストファー・ペレグリニ
焼酎ソムリエ。アメリカ・バーモント出身。日本を訪れた際に焼酎と泡盛に魅了され、外国人では数人しかいない焼酎ソムリエの資格を取得。日本の食文化を紹介するセミナーで講師を務めるほか、インターネット番組のホスト、フードコンサルティング、オックスフォード大学出版局による「The Oxford Companion to Spirits and Cocktail」へ焼酎と泡盛について寄稿するなど、幅広く活躍している。2014年に著書「THE SHOCHU HANDBOOK」を出版。
小枝絵麻
フード&ワインスペシャリスト。イラン・テヘランで生まれ、大学入学までをニューヨークで過ごす。上智大学卒業後、飲食店のコンサルティング企業を経てアメリカ・CIAグレイストーン校へ留学。卒業後にアメリカのプライベートワイナリー「Chalk Hill」で料理とワインのペアリングを学ぶ。帰国後は2008年から米国大使館農産物貿易事務所選任シェフ、2013年からカリフォルニア州の生産者団体「ナパヴァレー・ヴィントナーズ」の駐日代表を務めるなど、国際的に活躍している。
Information
「Kai House Club(カイハウスクラブ)」
正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。