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和知徹シェフに学ぶ 肉焼きメソッド

イベント
2019年07月15日
「Kai House Club」の会員になると、料理教室主宰者にとって役に立つ特典が、数々用意されています。なかでも支持されているのは、貝印本社(東京都千代田区)内にある「Kai House(カイハウス)」で行われる会員限定の特別セミナー。今回は、東京・銀座のフレンチビストロ「マルディ・グラ」の和知徹さんによるセミナーの様子をレポートします。

「Kai House Club」が不定期に開催している、会員を対象とした食にまつわるスペシャルイベント。今回は「マルディ・グラ」の和知シェフに、「Kai House Club」Webサイトのレシピページでも常に人気ナンバーワンのメニュー、「ラムかたまり肉のオーブン焼き」を始めとするラム料理を通して、美味しい肉の焼き方を学ぶ講座です。

羊の豊かな出汁を生かすのは「塩加減」と「焼き方」

和知シェフといえば20年前から年に数回、世界各地に「肉旅」に出かけ、世界各国の肉料理のエッセンスを独自の感覚で取り入れたメニューを次々に繰り広げる「肉料理のスペシャリスト」。そんな和知さんの講座とあって、当日は長崎、愛知、長野など、全国から多数の参加者が集まりました。
今回は得意の肉料理から、ラム肉をふたつの調理法で紹介。まずは「プロフ」。これは中央アジアで一般的に食べられている、炊き込みごはんのようなもので、ピラフやドリアなどの米料理の原点と言われているそう。和知シェフが4年前に中央アジアを旅している時に出会って魅了された味をベースに、「マルディ・グラ」でも提供しているメニューです。
最初にフライパンで、一口大に切って塩をした羊肩肉を、きつね色になるまで焼くところからスタート。「羊の肉は本当にいい出汁が出ます。しっかり焼くことでそのうま味を閉じ込めることができ、少ない調味料でも深い味わいが出せますよ」と和知さん。ここで一度肉を取り出し、同じフライパンに今度は野菜を投入して炒め、米や香辛料を入れて加熱し、最後に取り出した羊を再度戻して水を加えて炊くと出来上がり。ターメリックやクミンにレーズンの風味も手伝って、食欲をそそるオリエンタルな香りが広がります。

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子

講師
和知 徹(ワチ トオル) さん
1967年、兵庫県淡路島生まれ。高校卒業後に辻調理師専門学校に入学。翌年、同校のフランス校で研修し、ブルゴーニュの一つ星レストラン「ランパール」で修業。帰国後、「レストランひらまつ」に入社し、在職中にパリ「ヴィヴァロワ」で研修したのち、ひらまつ系列の飯倉片町「アポリネール」の料理長に就任。2001年に独立し、東京・銀座に「マルディ・グラ」をオープン。

「Kai House Club(カイハウスクラブ)」
正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。