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和知徹シェフに学ぶ 肉焼きメソッド

イベント
2019年07月15日
「Kai House Club」の会員になると、料理教室主宰者にとって役に立つ特典が、数々用意されています。なかでも支持されているのは、貝印本社(東京都千代田区)内にある「Kai House(カイハウス)」で行われる会員限定の特別セミナー。今回は、東京・銀座のフレンチビストロ「マルディ・グラ」の和知徹さんによるセミナーの様子をレポートします。

鍋で肉とともに焼いたニンニクやローズマリー、ミニトマトを添えて完成です。理想的なロゼ色に焼き上がりました。

名脇役は、ふわふわ・パリパリのサラダ

最後に肉料理に合わせる「ベストサラダ」を作ります。
美味しいサラダのポイントのひとつは、野菜のイキイキ感。
「梅雨時期や夏場は特に葉野菜は傷みやすいので、基本的なことですが、買ってきたらしっかり洗うこと。そして調理の前に冷水にさらすことがとても重要です」。
もうひとつ、サラダのカギとなるのがドレッシング。今回はマスタードをたっぷり使うことでコクが生まれ、酸味の苦手な人にも食べやすい味に仕上げています。このドレッシングは、さらに和え方にも独特の技が。
「あくまでも葉のパリッとした食感を損なわないように、ボウルの壁面にドレッシングを垂らしてヘラで伸ばし、野菜をボウルに入れたら空気を混ぜるように絡めるのがコツです」。
実際に目の前でその様子を見ると、ボウルを回しながら手早く和える様子は斬新で、ぜひマスターしたい手法。たっぷり掴み、中高にふわっと盛り付けたら完成です。

まさにパキパキと音がしてきそうな立体感は、ドレッシングを「かける」のではなくドレッシングと「絡める」からこその仕上がりです。

すべての調理が終わり、テーブルをセッティングしていよいよ試食タイム。ラムに合う白ワインが用意され、テーブルごとに乾杯の声が飛び交い、感想を言い合う和気藹々とした雰囲気のなか試食が続きます。

参加者の皆さんは、同じ羊肉を「鍋で焼いてから炊く」という調理法と「鍋で焼いてからオーブンで焼く」というふたつの調理法で食べ比べることで、味わいの違いを感じることができたようです。
「ラムは臭いから苦手という生徒さんがいるんじゃないかと敬遠していましたが、こんなに臭みなく、シンプルなのに深みのある味わいにできるなら、苦手な人にこそ紹介したいですね」「3面を焼いてからオーブンに入れるというのは初めて知った調理法で目からウロコでした」など、さまざまな感想が。とても有意義で、かつ優雅で美味しい講習となりました。
「Kai House Club」では今後も会員に向けて、スキルアップのためのさまざまな講座を開催していきます。また料理家の先生同士の交流の場としてもきっと役立つはずです。まだ会員登録していない方はぜひご入会ください。

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子

講師
和知 徹(ワチ トオル) さん
1967年、兵庫県淡路島生まれ。高校卒業後に辻調理師専門学校に入学。翌年、同校のフランス校で研修し、ブルゴーニュの一つ星レストラン「ランパール」で修業。帰国後、「レストランひらまつ」に入社し、在職中にパリ「ヴィヴァロワ」で研修したのち、ひらまつ系列の飯倉片町「アポリネール」の料理長に就任。2001年に独立し、東京・銀座に「マルディ・グラ」をオープン。

「Kai House Club(カイハウスクラブ)」
正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。