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プロに学ぶ「和菓子セミナー」

イベント
2018年05月9日

「Kai House Club」の会員になると、料理教室主宰者にとって魅力的な、さまざまな特典があります。なかでも注目したいのが、会員のみを対象とした食に関するセミナー。今回は、貝印本社(東京都千代田区)内にある「カイハウス」で行われた和菓子講座の様子をリポートします。

自宅で和菓子が作れるテクニックを惜しみなく披露


昔気質の職人らしからぬ穏やかな話しぶりと優しい笑顔で参加者を魅了する伊藤さんですが、ひとたび実践に入ると45年を超えるキャリアをいかんなく発揮。解説を続けながら、伊藤さんの手の中ではみるみるうちに美しい和菓子が形作られていきます。わかりやすい手順と、伊藤さんの手際の良さに、聞いていると自分も簡単にできそうな気持ちになりますが、いざ生地を手にして教わった通りの形にしていこうとすると、なかなか思い通りにはいかないと話す参加者たち。そうは言いながらも、手順通りに作業を進めていくとそれらしい和菓子が完成します。簡単すぎず、かといって頑張ればきちんと形にできるという「ちょうど良い難易度であること」が、料理の先生である上級者をも夢中にさせる理由かもしれません。また、現在では自宅での和菓子作りをサポートしてくれる数々の便利な市販の道具が揃っていることも、和菓子作りの継続を促してくれます。
 

セミナーでは、和菓子の作り方はもちろんのこと、和菓子にまつわる貴重な話も興味深いものばかり。「虎屋」在職中には広報業務を担当していた伊藤さんゆえに、和菓子の歴史はもちろん、和菓子と日本の文化、季節の行事との関わりなどにも造詣が深く、教科書に載っているような話から経験に基づく裏話まで、盛りだくさんの内容を伝えてくれました。すべてのデモンストレーションと実習が終了した後は、うれしい試食タイム。店で売っているような和菓子が自分で作れることに、多くの参加者たちが感動していました。本物の和菓子の世界に触れ、味わい、日本の食の伝統の深さを堪能した一日に。前述の通り、伊藤さんの和菓子セミナーは定期的に開催されているので、「Kai House Club」会員はもちろん今後に参加のチャンスが。また、そうでない人もこの機会に入会してみてはいかがでしょう。
「Kai House Club」入会登録(無料)
 

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撮影/長田朋子 取材・文/江原裕子

講師紹介
伊藤郁(イトウ カオル)さん
株式会社「虎屋」に45年間勤務後、2016年2月退職。東京・京都の工場にて30年以上菓子作りに従事。その経験を活かした広報課時代にはNHK Eテレ「趣味どきっ!」、テレビ大阪(テレビ東京系列)「和風総本家」などにも出演。現在は、市民講座や料理教室などの特別講師を務め、国内外に和菓子の魅力を伝え続けている。
 
 

Information
「Kai House Club(カイハウスクラブ)」
正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。