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植竹シェフに学ぶ 春野菜を活かしたイタリアンセミナー

イベント
2022年03月25日

2022年2月22日、東京・秋葉原にある貝印株式会社のキッチンスペース 「Kai House」で、Kai House Club所属の料理家向けにセミナーを開催しました。
講師は、野菜をこよなく愛するイタリアンの巨匠、「リストランテ カノビアーノ」の植竹隆政シェフです。
コロナウィルス感染拡大に配慮し、オンラインレッスンの形式で行われ、ZOOMでリアルタイム配信しました。

素材の“水分を抜く”テクニックを存分に学ぶ

レッスンでは、1品1品手際良く仕上げながら、植竹シェフの料理の考え方、野菜の美味しさを引き出すテクニック、素材の活かし方などを惜しみなく教えていただきました。
たとえば春に旬を迎えるホワイトアスパラガスは、産地による味の違いや、美味しさを引き出す下処理のコツなど、プロならではの知識が満載で、ワンランク上の味に仕上げることが可能に。

カメラがクローズアップしてくれるので、火入れの加減も目で確認できるのが、オンラインレッスンの強みです。なぜフライパンではなく炙るのか、炙ることによってどういう効果が生まれるのか、常に調理工程の理由や意味を説明してくれるので理解が深まります。

カルボナーラをなめらかに仕上げるポイントも、しっかり解説してくれました。「IHは均等に火が入るので、常に混ぜながら、フライパンは前後に揺らしながら行ってください」と植竹シェフ。次々と手際良く料理が仕上げられ、スタジオにはいい香りが充満しています。

植竹シェフの真骨頂ともいえる、野菜の素焼きテクニックも披露してくれました。野菜の水分を抜く作業の重要性や見極め方、オイルをまとわせるタイミング、調味料に頼らずとも美味しく仕上げるコツなど、ここでしか聞けない情報のオンパレードに、参加者たちはメモをとる手が止まりません。

植竹シェフが長年愛用しているオリーブオイルや、デザートに使用したモスカートダスティ(イタリア・ピエモンテ州のマスカットベースのワイン)の銘柄が教えてもらえるのも、料理家のみなさんにとっては嬉しい限り。シェフの味に近づく一歩です。

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撮影/佐藤朗 取材・文/岡井美絹子

「リストランテ カノビアーノ」シェフ・植竹隆政さん

1963年、神奈川県生まれ。調理師専門学校を卒業後、原宿の伝説のイタリアレストラン「バスタパスタ」の開業メンバーとして活躍。24歳のときにイタリアへ渡り、現地のレストランで修業を積む。帰国後、「ビゴロッソ」の料理長を経て、1999年に「リストランテ カノビアーノ」を開業し、野菜を中心とした自然派イタリアンを確立する。2017年5月に「ホテル雅叙園東京」内に移転し、「リストランテ カノビアーノ」をリオープン。