2019年9月には、この企画のキーマンである『リストランテ カノビアーノ』植竹隆政シェフや料理教室の主宰者が岩手県八幡平市を訪れ、生産企業の視察や、現地の会場を貸し切り八幡平市の商品を活用したレシピの提案会を生産者向けに行いました。その後10月には、それぞれの料理教室でタイアップレッスンを行い、八幡平市とその食材の魅力を生徒に伝えました。
交流会で考案したメニューをイベントで披露
「食と工芸の交流会」の当日は、八幡平市の生産者と料理教室主宰者がペアとなった複数のブースが会場に作られ、センスと技術に秀でた料理家ならではの料理が一般参加者に振る舞われました。
イベント冒頭では、岩手県八幡平について紹介。秋田県と青森県に隣接する内陸のエリアにあり、冬は厳しい寒さと夏には山から冷たい季節風の「やませ」が吹き下ろすことが生産にも大きく影響するそうで、米どころの東北でありながら稲作が定着せず蕎麦などの雑穀文化が発展したことなどが説明されました。
そしてカノビアーノ オーナーシェフ植竹隆政シェフが登場し、実際に八幡平市の食材を使った料理をデモンストレーションしていただきました。まず『牛肉と安比まいたけのミートソース わんだい高原そば粉のピッツォケリ』の調理が始まりました。
ピッツォケリはグラウビュンデン州南部イタリア語圏のそば粉を使った伝統パスタ。八幡平で採れた新鮮なそば粉で作られた生地を手慣れた様子でこねて伸ばしていきます。
この料理でメインといえるのが安比まいたけ。かごにのった安比まいたけを見せながら、「本当に美しいまいたけです。なかなか市販ではお目にかかれません」と感嘆した様子の植竹シェフ。フライパンにまいたけを入れて、軽やかな手つきでエクストラバージンオイルを回しかけます。「素焼きをするのは水分をしっかりと抜いてうま味を閉じ込めるため」と植竹シェフ。会場を訪れた参加者たちは大切なポイントを聞き逃すまいと熱心な様子で見守ります。