「似合う」を知る第一歩は、自分写真撮りの習慣
「似合う服を見つけるにはこの方法しかありません」と、開口一番大草さんが出した答えが「毎日自分の写真を撮ってもらうこと」だそう。鏡に映る姿を見たり、鏡ごしに自撮りするのではなく、誰かに撮ってもらうのがポイントです。
「友人でも子供でもパートナーでも良いので、誰かに頼んでください。横姿、バックスタイル、何かをしている途中など、無意識の写真が大事。動いている自分の姿を客観的に見ると“意外にヒップが大きいな”、“こんなになで肩だっけ?”と、自分の体型に気づき、さらにデータが溜まってくると、どの服を着ている時にどう見えるか、という分析ができるようになるんです」
「とびきり似合う服」以外着ない訓練を
こうして日々いろんな服を着て写真を撮るうちに、手持ちの服の中で「似合う」服が見えてくるはず。次は、それに基づいて絞り込む作業です。
「手持ちの服を“とびきり似合う服”、“似合うかどうかわからない服”、“全然似合わない服”の3カテゴリーに分けます。もしかしたら大半が2番目のカテゴリーに入ってしまうかもしれません。ですが、1番目のとびきり似合う服だけを残し、2、3番目に分類された服を勇気を出して封印してください。人にあげるなり、段ボール箱に入れてしまうなどして、一旦なくします。同じような服ばかりでもOKだし、3コーデしかなかったらそれだけで着回してみる。いつもバラエティ豊かに違う雰囲気のものを着る必要もないし、トレンドのファッションを着こなす必要もないんです。“似合う”幅を広げることよりも、“似合う”の奥行きを深めることを意識してください」。
そのためには、挑戦する作業よりもまず絞り込む作業が大事だと言います。
「ブラウンが似合わないのに“私にも似合うブラウンを探そう”とか、ミニが苦手なのに“どのくらいの丈であれば許されるだろうか”と実験するのは時間の無駄。似合わないものの中からではなく、すでに似合うものの中から探すほうが合理的で近道です」。
大草さん自身、甘いディテール、膝の出る丈のボトムス、スキニーパンツなど、決別したデザインは多数あるそう。限られた似合うものを着ているうちに、自分が似合う色や柄、質感、シルエット、ボリューム感などが分かってくるといいます。