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SNSアドバイザー直伝インスタ活用法

スキルアップ
2018年10月8日

まるでひとつのウェブマガジンを持つように、写真で自分自身のスキルや感性を全世界に発信することができるSNSは、今やビジネスの必携ツール。個人で事業を行っていたり、視覚に訴えることのできるものを仕事にしている料理家の皆さんにとっては、なおのことです。今回は、企業のSNSコンサルティングを行い、国内外のインスタグラマーの動向などもよく知る、SNSアドバイザーの石井リナさんに、インスタグラムを中心とするSNSをビジネスで活用する方法を伺いました。

20代、30代が最もアクティブに閲覧し、購買行動を起こしているのがインスタグラム


さまざまなSNSがあるなか、「他のSNSをすべてストップし、インスタ1本に絞っている」というアーティストやタレントも増えているほど信頼を集めるインスタグラム。ビジュアル中心のSNSゆえに言語の壁が低いだけに、海外のアーティストのアカウントをチェックしている人も多いようですが、まずはその現状を聞きました。
「基本的なことですが、SNSにはオープンなものとクローズなものがあります。それはシェアする機能の有無のことですが、フェイスブックやツイッター、ピンタレストは、シェアやリツイート、ファボなどで情報共有ができるのに対し、インスタグラムは本人にライクを伝えることはできても、情報を共有するシェア機能が少ない(他のアプリを使えば可能)のです。検索による閲覧は別として通常は、発信者側としては自分のフォロワーにしか基本的に情報発信ができません。つまり、バズ(口コミで伝わること)や拡散は起こりにくいということです。でも現実には20代、30代の人が今最もアクティブに閲覧し、かつ、そこから購買行動を起こしているのがインスタグラム。だからこそ、企業、あるいは個人事業主であってもSNSをビジネスに活用したいと考えるのであれば、無視してはいけないものだと思います」

「言語」を脇役にしたことで生まれた、利便性やグローバル性


2010年秋にサービスを開始し、2012年にFacebookに買収されたインスタグラム。あっという間に利用者はぐんぐん増え、2014年にはツイッターを超えるMAU(月間アクティブユーザー)を記録し、現在もその数を伸ばし続けています。日本では2014年ごろから急激にユーザーが増えましたが、なぜ後発のインスタグラムがここまで人気を集めたのでしょうか。
SNSは常に特定のものに人気が集まったり、その反動で陰りが出たりと波がありますが、インスタに関してはこの5年ほどずっと伸び続けています。その理由として、インスタグラムは私達が経験してきたメディアの中でも、初めてのグローバルメディアだから、ということがいえるでしょう。フェイスブックやツイッターが、テキスト中心のメディアなのに対し、インスタグラムはあくまでも写真や動画が主役。他のメディアでも多くは写真&テキストを同時に投稿できますが、その主従関係が完全に逆転しているのはインスタグラムのみです。これによって言語の壁を容易に越えることができ、初めて“海外の人と難なくつながる”経験をしたといえます」

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撮影/田上浩一 取材・文/吉野ユリ子

話を聞いた人 BLAST代表取締役社長/編集長 石井リナさん(Rina Ishii)
新卒でオプトへ入社し、Web広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントとして企業のマーケティング支援に従事。初のInstagramマーケティング書籍となる「できる100の新法則Instagramマーケティング」を共同執筆するなど、デジタルプロモーションを中心にライターや、セミナー講師としても活動を広げている。その後、リアルイベントにおけるSNSプロモーションを行うSnSnap(エスエヌスナップ)にて、自身が編集長を務めるオウンドメディア「COMPASS(コンパス)」を立ち上げ、運営を行った。現在は起業し、女性向けエンパワーメント動画メディア「BLAST」の立ち上げ、運営を行う。学生時代より雑誌「ELLE girl」のラボプロジェクトにてリアルイベントの企画や運営に携わるなど、若年層マーケティングを得意とする。