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SNSアドバイザー直伝インスタ活用法

スキルアップ
2018年10月8日

まるでひとつのウェブマガジンを持つように、写真で自分自身のスキルや感性を全世界に発信することができるSNSは、今やビジネスの必携ツール。個人で事業を行っていたり、視覚に訴えることのできるものを仕事にしている料理家の皆さんにとっては、なおのことです。今回は、企業のSNSコンサルティングを行い、国内外のインスタグラマーの動向などもよく知る、SNSアドバイザーの石井リナさんに、インスタグラムを中心とするSNSをビジネスで活用する方法を伺いました。

「フォロワーを増やすのは何のためか」を改めて考える


インスタグラムはSNSの中でも集客や購買に親和性の高いメディアであること、企業イメージに合った情報を発信し、ストーリーやIGTVなどを導入してアクティブなメディアにすることがビジネスに効果的、ということがわかりました。ここで、改めて「ビジネスにインスタを活用する」とはどいうことなのかを考えてみましょう。
「企業からのSNSコンサルティングでは、何カ月後にフォロワーを何人にしたい、といった具体的な依頼を受けることもあります。が、今やインスタでオーガニックにフォロワーを増やすには限界があり、ブーストするにはアド(広告)を打つ必要があります。けれど、企業にも同じことが言えますが、個人の方にとってそこまでしてフォロワーを増やす必要ってあるのでしょうか? “フォロワーが増えれば何かいいことがあるらしい”というような曖昧な動機でなく、自分が何のためにインスタグラムをしているのか、フォロワーを増やしたいのかを考えてみる必要はあると思います。メディアに登用されたい、本を出したい、その後ろ盾としてフォロワー数を増やしておきたいのか、大規模に情報発信する場にしたいのか、教室の生徒数を増やしたいのか。それによってはフォロワーの“数”は重要ではないかもしれませんし、場合によってはインスタではないやり方、SNSではないやり方の方が効果的なこともあります。インスタは仮にフォロワー数が増えたとしても魔法の杖ではないということは覚えておいたほうがいいでしょう」
そのうえで、それでもインスタはやったほうがいいと思う、と石井さん。
「今や人々がスマホを使う時間の1位はSNS、そして2位が検索。そんななかネットというメディアで集客や営業をしたいと考えると、自分たちのリソースを活用してできることといえば、手間とアイデアを駆使してSNSかSEO(『検索エンジン最適化』の意味。検索結果で特定のウェブサイトがより多く露出するように工夫する取り組み)に注力するくらいしか方法がないと思います。さらに、多くの人は複数のSNSをスキッパブルに閲覧していますから、ひと通りのSNSにアプローチしておかない理由はありません。インスタグラムがいつまでも王座にいるとは限りませんが、さまざまなSNSを無理なく楽しみながらトライする柔軟性が、これからの時代、個人がSNSをビジネスに活用する鍵だと思います」

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撮影/田上浩一 取材・文/吉野ユリ子

話を聞いた人 BLAST代表取締役社長/編集長 石井リナさん(Rina Ishii)
新卒でオプトへ入社し、Web広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントとして企業のマーケティング支援に従事。初のInstagramマーケティング書籍となる「できる100の新法則Instagramマーケティング」を共同執筆するなど、デジタルプロモーションを中心にライターや、セミナー講師としても活動を広げている。その後、リアルイベントにおけるSNSプロモーションを行うSnSnap(エスエヌスナップ)にて、自身が編集長を務めるオウンドメディア「COMPASS(コンパス)」を立ち上げ、運営を行った。現在は起業し、女性向けエンパワーメント動画メディア「BLAST」の立ち上げ、運営を行う。学生時代より雑誌「ELLE girl」のラボプロジェクトにてリアルイベントの企画や運営に携わるなど、若年層マーケティングを得意とする。