「フォロワーを増やすのは何のためか」を改めて考える
インスタグラムはSNSの中でも集客や購買に親和性の高いメディアであること、企業イメージに合った情報を発信し、ストーリーやIGTVなどを導入してアクティブなメディアにすることがビジネスに効果的、ということがわかりました。ここで、改めて「ビジネスにインスタを活用する」とはどいうことなのかを考えてみましょう。
「企業からのSNSコンサルティングでは、何カ月後にフォロワーを何人にしたい、といった具体的な依頼を受けることもあります。が、今やインスタでオーガニックにフォロワーを増やすには限界があり、ブーストするにはアド(広告)を打つ必要があります。けれど、企業にも同じことが言えますが、個人の方にとってそこまでしてフォロワーを増やす必要ってあるのでしょうか? “フォロワーが増えれば何かいいことがあるらしい”というような曖昧な動機でなく、自分が何のためにインスタグラムをしているのか、フォロワーを増やしたいのかを考えてみる必要はあると思います。メディアに登用されたい、本を出したい、その後ろ盾としてフォロワー数を増やしておきたいのか、大規模に情報発信する場にしたいのか、教室の生徒数を増やしたいのか。それによってはフォロワーの“数”は重要ではないかもしれませんし、場合によってはインスタではないやり方、SNSではないやり方の方が効果的なこともあります。インスタは仮にフォロワー数が増えたとしても魔法の杖ではないということは覚えておいたほうがいいでしょう」
そのうえで、それでもインスタはやったほうがいいと思う、と石井さん。
「今や人々がスマホを使う時間の1位はSNS、そして2位が検索。そんななかネットというメディアで集客や営業をしたいと考えると、自分たちのリソースを活用してできることといえば、手間とアイデアを駆使してSNSかSEO(『検索エンジン最適化』の意味。検索結果で特定のウェブサイトがより多く露出するように工夫する取り組み)に注力するくらいしか方法がないと思います。さらに、多くの人は複数のSNSをスキッパブルに閲覧していますから、ひと通りのSNSにアプローチしておかない理由はありません。インスタグラムがいつまでも王座にいるとは限りませんが、さまざまなSNSを無理なく楽しみながらトライする柔軟性が、これからの時代、個人がSNSをビジネスに活用する鍵だと思います」