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SPROUT Café さくら坂

インタビュー
2020年01月16日

初めてのレシピ本を出版したり、レストランをオープンしたり。食に関わる仕事でひとつの夢を叶え、ターニングポイントに立った話題の料理家や食に関わる職業の方へのインタビューをお届けする連載。「何かはじめたい」という思いを持った人へ、一歩踏み出すためのヒントに溢れています。


「りんごの焼きタルト」(700円)。青森県三戸町の山田農園の「百年紅玉」を使った、フランスの冬を代表的する伝統菓子です。

 

3本の矢が集まれば折れることはない

「3人にはそれぞれの強みがあります。3本の矢のように、集まれば折れることはない。やっぱり心強いです。3人いたから、六本木という素晴らしい場所で挑戦することができました」

シェフであれば、仕込みや営業の仕事をしながら、接客やデスクワークをこなさなければいけません。その点3人ならば、それぞれの得意分野に集中することができます。3人が出会ってオープンまで1年。意見が食い違うこともあったが、「最終的にはみんな納得してのオープンでした」と吉田さんは振り返ります。

「シェフはアウトプットをする仕事です。そのためには、インプットの時間が必要。そうした時間を作れるのも3人でやっているから。今は、ボクシングをしてインプットの状態に切り替えています」

あと2カ月もすればオープンから1年。新芽が育ち大輪の花が咲かせるように、「SPROUT Café さくら坂」の3人は、お互いを信頼しながら、それぞれの役割をしっかりと務めてあげています。

ヨーロッパのアンティークの家具が集められた店内には、落ち着いた雰囲気が流れています。

クッキー缶(3200円)やジャム(1500円)なども店内で購入できます。

吉田さんが長年愛用している道具。キッチンは、自分の身長に合わせて、厨房を作る際に通常より5cm低く設計してもらったそうです。

 

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撮影/大平正美 取材・文/江六前一郎

吉田順子さんプロフィール

よしだ・じゅんこ/東京・六本木一丁目にある「SPROUT Café さくら坂」のオーナーの一人で、シェフパティシエ。2003年に「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」に入店。以来、ロブション系列のブティックなどを経て、グループ全体のパティスリー部門全体の責任者に。2015年、退社。その後、元同僚の野崎照美さんと井上淳子さんとともに、2019年4月に「SPROUT Café さくら坂」をオープンさせた。

SPROUT Café さくら坂

東京都港区六本木1-3-37
アークヒルズアネックス
電 03-6229-3690
営 11:00~
席 店内22席、テラス14席
休 火曜