フードフォトグラファー 花渕浩二さん

インタビュー

スタイリストやフードコーディネーター、カメラマンなど、料理家を支えるクリエイターのインタビューをお届けする連載。聞いてみたのは、支える側から見た料理の世界のこと。料理を支えるクリエイターにとって料理とは?料理を支える様々な職種の方々の料理に対する考えや思いを伺います。

2020年03月24日

フードフォトグラファーには、料理の勉強も必要だといいます。「料理を作る人が、次にどんな動作をするのか、何を大切にしているのか、そういうことを知ることで、コミュニケーションのきっかけにもなりますし、撮影もスムーズに進みますね」。そのため、花渕さんの事務所には、専門的なレシピ書が並んでいます。

 

一流料理人に学んだ最後まであきらめない気持ち

「フードフォトグラファーが料理人や料理研究家から刺激を受けるのはどんなことか?」と花渕さんに聞くと、2019年に撮影した2人の料理人について話してくれました。

「杉田孝明さん(『日本橋蛎殻町 すぎた』)と小山進さん(兵庫『パティシエ エス コヤマ』)のお二人を撮影させていただいて、電撃が走りました。一流は、ここまでやるのかと。お二人は毎日の仕事を常に見直して、さらに良いものを作っていこうとする姿勢を見させてもらいました。だからお二人はここに立てるのか、と考えさせられましたね」

状況を言い訳にしたり、できない理由を探したりせず、最後まであきらめずに最善を目指そうとする2人の料理人と出会いで「僕自身、フードフォトグラファーとしてやれることはやったんじゃないか、と思っていた時期でしたので、スッと背筋が伸びました。僕はまだまだ、ようやくフォトグラファーとしての入り口に立てたんだと思うようになりましたね」と、振り返ります。

「まわりに伝わってくるものは、料理への愛情なのではないかと思います。仕事に対して実直でいること。それに、こちらが『そこまでするのですか?』と驚くくらい試作を繰り返していたりするのも、料理がすごく好きなんだなって思います。好きだからもっとおいしくする方法を、料理人さんや料理研究家さんは、考え続けているのではないでしょうか」

その愛情は、レストランに向かう料理人にも、家庭に向かう料理研究家にも、等しくあるものだと、花渕さんいいます。

「料理への愛をきちんと受け止めて、写真を通して伝えていくのが『おいしい写真』を撮る僕の役目だと思っています」

渋谷にある花渕さんの事務所兼スタジオには、キッチンもあり、いつでも料理撮影ができるようになっている。

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撮影/大平正美 取材・文/江六前一郎

花渕浩二さん

1978年、宮城県仙台市生まれ。大学在学中にフォトグラファーの道を志し、フリーに。2000年代中頃からフードフォトグラファーとして活動。現在、パンフレット、カタログ、広告など料理をメインにライフスタイル全般の撮影まで幅広く手がける。

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