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進化した寿司 恵比寿えんどう

レストラン
2019年05月29日
今、フーディたちが注目する「恵比寿 えんどう」。若き寿司職人、遠藤記史さんの店です。今年2月にオープンしたばかりながら、すでに予約困難の人気振りで話題になっているお店を訪ねました。

通常は、淡泊な味わいの白身魚などのネタを最初に出すことが多いですが、ここでの握り一品目は「中トロ」。お任せではなくコース仕立てで、先にお料理を何品か味わった後だから、程よい脂と旨味のインパクトがあるネタから始めたいという想いゆえの演出です。
江戸前寿司で人気のネタと言えば穴子。でも、遠藤さんはスペシャリテに「うなぎ」を据えています。しっとりジューシーに煮た後に炙り、たれで頂きます。「川魚は握りにしないといわれているけれど、うなぎは海で生まれている。だったら握ってもいいじゃないかと思って取り入れています(笑)」。
締めの一品は、トロタクの手巻き。折詰のお土産ではなく、出来立てが味わえるカウンター席だからこそ、海苔はパリパリの状態で供したいとの考えから、巻きすを使用せず手巻きで提供します。
先人たちが積み重ねてきた寿司というジャンルに敬意を払いつつ、常に「どうしてそれじゃいけないの?」という“Why not?”精神を持つ遠藤さん。彼が目指す、変化ではなく進化した寿司は、常に最旬の感動を与えてくれるに違いありません。

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撮影/平松唯加子  取材・文/木村千夏

恵比寿 えんどうの詳細情報

店名 恵比寿 えんどう
電話番号 03-6303-1152
住所
111
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ジャンル 寿司

シェフの紹介
遠藤 記史(エンドウ ノリヒト)さん
1986年、東京都生まれ。18歳でイギリスにサッカー留学し、25歳で帰国する。長い海外生活を経て改めて感じた日本食の多彩さに惹かれ、寿司職人の道を志す。その後、銀座の寿司店や穴子専門店を経て、六本木の名店で経験を積み、今年2月恵比寿に自身の店を構え、独立を果たす。お茶と寿司のペアリングを提案するなど、斬新な発想から繰り出されるコース構成で注目されている。