「炭火焼肉 ふちおか」持ち味を極限まで引き出された、極上の黒毛和牛を堪能

焼肉は、肉をおいしく食べることに主眼を置いたシンプルな料理。単純そうに思える一方で、食材の選び方や焼き方など、さまざまな要因で味に大きく差が出るジャンルでもあります。では、その違いはどこにあるのでしょうか? オープンから1年半余りながら、すでに名店と誉れ高い人気店を訪ねました。

2019年02月7日

オーダー後に手切りされる、うま味を逃さない国産黒毛和牛

新宿から電車で約12分。都心に近いベッドタウン・東京都世田谷区経堂に、焼肉上級者たちが集う『炭火焼肉 ふちおか』はあります。テーブル席にカウンター、半個室を備えた店内は、シンプルで落ち着いた和モダンのインテリア。価格と味が比例する傾向のある焼肉店にあって、最高ランクの国産黒毛和牛を圧倒的なコストパフォーマンスで楽しめると、ファンを唸らせています。

「お客さまには、良質な肉をリーズナブルに味わって欲しい。そのうえで、自分なりのこだわりも見せていけたらと思っています」と話すのは、店主の渕岡弘幸さん。大学時代に焼肉店でアルバイトをしたのをきっかけに、将来はその道で一国一城の主になることを決意。卒業後は専攻を活かしてシステムエンジニアとして働きながら資金を貯め、30歳で焼肉の名店『炭火焼肉 なかはら』を営む中原健太郎氏に師事。みっちり修業を積んだのち、2017年5月に独立しました。

お店の売りのひとつは、その卓越した肉のカット技術。素材となる肉は産地や生産者を限定せず、ひとつひとつ自らの目で確かめて仕入れる、その日最上のもの。「なかはら」で学んだおいしさの引き出し方を踏襲し、“オーダー後に切る”、“部位に合わせてカットの仕方を変える”ことを徹底しています。

「劣化を防ぐために冷凍はせず、切ってすぐに提供することで、肉のうま味を逃がしません。同じ部位でも個体によって肉質は違いますし、サシ(脂)や水分の量も味と関係してくる。だから、その都度状態を見極めて、見栄えも意識しながら、最適な方法でカットしています」

余分な筋や脂肪はすべて取り除き、部位ごとにベストな厚さに切り分ける。そして、おいしさを引き出す、最低限の調味料で下味をつける。こうして、最高の状態になった肉は皿に美しく盛り付けられ、各テーブルに運ばれて行きます。

旨い肉は、その姿も美しい

お店の特長がわかる、3つの部位を教えてもらいました。まずは、余分な脂や筋をそぎ落とし、口当たりを追求したサーロイン¥3,600。赤身とサシのバランスが絶妙で、肉質はやわらか。つけダレも用意されますが、お肉の良さを邪魔しないもみダレで下味をつけたものをそのまま味わうと、繊細な肉の甘みを感じられます。

厚切りと薄切りの「タン塩盛り合わせ」¥2,400(※写真は二人前)。流通しているタンの中でわずか数パーセントという稀少な国産黒毛和牛のタンで、数量に限りがあるため、来店1週間前の予約が必須。驚くほどジューシーで、極上のタンのうま味をダイレクトに味わえます。

幻の部位とも称されるシャトーブリアンは、ヒレの中でも特に質の高い中心部分。この厚さにもかかわらず、スーッと噛み切れる至極のやわらかさ。“とろける”という形容がぴったりです。1カット¥2,800。

初めて訪れるなら、その日の特選部位で構成されたコース¥6,800もおすすめ。サーロインを含む焼きもの6種に、前菜、サラダ、口直し、一品料理、締めのご飯ものもしくは麺で構成されています。

近年、“素材を活かす”ことが料理のキーワードになっていますが、焼肉はその手腕が最も問われる料理のひとつ。この世界に足を踏み入れてから、素材の管理や扱い方を徹底して学んできたと話す渕岡さんですが、今でもそれが一番難しいと話します。

「フレンチやイタリアンと比べると、その面では焼肉の世界は劣っているかもしれません。いい素材を手に入れられたとしても、正しい扱い方を知らないとおいしく提供できませんし、そもそも質の良い肉を仕入れるのが難しい。お寿司屋さんの世界と同じように、市場に行けば好きなものを買えるわけではなく、昔から通っていて顔なじみの人に品質の良いものを渡すというカルチャーがあります。専門店との信頼関係が重要で、私は前職での経験もあって多少は恵まれていましたが、それでも黒毛和牛のタンはオープン当初は入手できず、実績を作ってから提供できるようになった部位なんです」

世界的に黒毛和牛のおいしさが認められてきたことから需要が高まり、同時に生産者も年々減少していることから、良質な素材を入手するのがますます困難になると予想される日本の焼肉シーン。安心して通える焼肉の新名所で、黒毛和牛の本当のおいしさを堪能してください。

レストラン名の詳細情報

店名 炭火焼肉 ふちおか
電話番号 03-6804-4829
URL http://sumibiyakiniku-fuchioka.favy.jp/
住所 東京都世田谷区経堂1-5-8 ロイヤルハイツ経堂1FGoogle Mapで確認
ジャンル 焼肉

撮影/大木慎太郎  取材・文/江原裕子

シェフの紹介
渕岡弘幸(フチオカ ヒロユキ)さん
大学で情報学を学び、焼肉店でのアルバイト経験を通じて、良質な黒毛和牛を使った焼肉店の経営を志す。システムエンジニアとして6年間勤務後、東京都内の焼肉店を食べ歩き、その味に惚れ込んだ台東区三ノ輪「炭火焼 七厘」に直談判し、3カ月後に入店。同店が「炭火焼肉 なかはら」として市ヶ谷に移転リニューアル後も修業を積む。2017年5月に独立し、「なかはら」初の公認暖簾分けとして、世田谷区経堂に「炭火焼肉 ふちおか」を開業。


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