
食材は日によって変更。メイン料理はその日仕入れた食材の塊肉のシェアスタイルで、この日は鴨。肉汁を滴らせながら薪火の上でじっくりと焼き上げられた鴨肉は、シェフによってきれいに食べやすく切り分けられた後に再度焼き上げられた時の姿に戻して皿に盛り付けされるこだわりよう。もちろん、その方が元の姿を想像しつつ、ありがたく食する喜びが生まれます。横に添えられた自家製のディップがまた、発酵技術を駆使した深い味わいで美味。リボンのように見えるのは、ごぼうのチップス。
パンや米も、意外なアレンジで提供されることが多く、料理家やグルメ愛好家にはたまらない魅力が満載。この日のごはんは、なんと焼きおにぎり。もちろん薪火でこんがりと焼き上げたもので、単なる素朴なおにぎりとは違って炊く際にスープを用いるなど、ガストロノミックな工夫が凝らされているのも興味深い点です。
お酒好きにとっても、この店のワインセラーは興味津々であること間違いなしです。というのも、レストランのエントランス横には、客席から丸見えの「セラー兼常備菜・発酵食品ストックルーム」があり、ここに希少なワインや日本酒がずらりと並びます。ワインはヴァン・ナチュールやニューワールドのものが多く揃い、個性派でやさしい味わいを好む人も満足させてくれるはず。気さくで博識なスタッフに相談すれば、旬のドリンクを提案してくれそうです。