五味の調和を重視し、素材の持ち味を活かす
東京・表参道の青山通りから1本入った路地裏にあるレストラン「Mimosa(ミモザ)」。新宿御苑の上海料理の名店「シェフス」でシェフとして腕を振るった南俊郎さんが、自身が学んできた老(オールド)上海の家庭料理をメインに、四川、北京、香港、深圳(セン)など中国各地を訪れて出合った味を新たな解釈で提供しています。
「中国料理では、食材の切り方、サイズ、調味料の合わせ方がとても大切。だから、意味もなく高級だったり珍しかったりする食材は使いません。理想とするのは、まとまりがあって、理に適った料理。僕の料理のトーンは、それが和食だったとしても基本的には全部同じです。甘味、旨味、塩味、酸味、苦味で五角形を作ったとき、真ん中を突くような透明感のある味が好きで、それが自分の味になっていきました。長い歴史と伝統がある中華の料理法は完成されていますし、そこに少しだけ新しいエッセンスを加えて、おいしくて違和感なくなじむ、心から熱量のある料理をやっていきたいです」
南シェフが作る世界は、シンプルで優しく、親しみやすいのに新しい味。素材に手を加えすぎず、その持ち味を活かしているから、一見素朴に見える料理も口にするとハッとするおいしさ。料理の本質を突いた、本物の贅沢を感じることができるでしょう。
中国各地の風土から生まれた味を、上質な一皿に
中華のイメージを覆す軽やかな食べ心地で、ワインとの相性も抜群の料理の数々。スペシャリテを除きメニューは月替わりで、アラカルトのほか、コース¥8,500も用意されています。まさに“食通が唸る味”という常套句がぴったりな、上質な中華を堪能できます。