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美しい懐石料理「日本料理 晴山」

レストラン
2019年03月15日

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、丸5年が経ちました。自然を尊ぶ、日本人の気質に基づいた伝統的な食文化を、あらためて見つめ直してみてはいかがでしょうか? 今月は開店1年半後に初めてミシュランで星を獲得して以来、二つ星をキープし続ける東京・三田の和の名店にお邪魔しました。


コースの前半に提供されるお椀、「松葉蟹とふかひれの真薯(しんじょ)」。旬の蟹とふかひれで作ったふわふわの真薯に、季節の山菜を添えて。だしのうま味はもちろん、蟹とふかひれの繊維質を組み合わせた真薯の食感も、楽しんでいただきたい一品です。

揚物は、「白魚とからすみ」。カラッと揚げた季節の宍道湖の白魚に、塩の代わりとしてからすみを振りかけています。「味の相性と、黄色いからすみの春らしさを意識しました」
最後に、山本さんの料理哲学を伺いました。
「僕自身がその時期に、絶対的に食べたいものを出すと決めています。コースで品数もありますが、惰性で作ったり、多くの人に平均的に好まれたりする料理は提供しません。そういう自分の味に合うお客様が、来てくださっているのだと思います。ただし、和食はこうと縛られすぎると料理がつまらなくなるので、行きすぎないように心掛けています。休みの日は食べ歩きをしていて、ジャンルを問わずおいしいものはおいしい。中国の食材というイメージがあるふかひれも食感がいいから使いますし、もともと日本にも古くからありました。またポルチーニも、ヤマドリタケモドキという近種が国内で採れますし、料理に垣根はありません。そういう自由な解釈で、自分なりの味を作っていきたいですね」

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撮影/大木慎太郎  取材・文/江原裕子

日本料理 晴山(せいざん)の詳細情報

店名 日本料理 晴山(せいざん)
電話番号 03-3451-8320
住所
東京都港区三田2-17-29 グランデ三田B1F
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ジャンル 日本料理

シェフの紹介
山本晴彦(ヤマモト ハルヒコ)さん
1979年生まれ、栃木県足利市出身。エコール辻東京を卒業後、特別講師として出会った高田晴之氏に師事すべく、岐阜「たか田八祥」に入店。25歳で「支店わかみや八祥」の店長に就任。29歳のときに「支店こがね八祥」の店長になり、31歳で独立。2011年、東京・三田に「日本料理 晴山」を開店。