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コンテンツ編集者視点のレシピ開発方法

スキルアップ
2020年02月13日
いま、飲食業界には、テクノロジーの進化によって様々な変化が訪れています。料理を取り巻く最新の動向にくまなくアンテナを張ることは、時流を捉え活躍する料理家への近道です。本連載では、情報発信ツールの活用法やレシピ開発、料理教室運営方法のノウハウなどをお伝えしていきます。調理技術を磨くと同時に、情報をアップデートし、“できる料理家”を目指しましょう。

ストック素材と冷蔵庫にいつもあるような物でパパッと一品作ってくれました。「これはサバのコチュジャン煮が好きなのでそのイメージから生まれたレシピです」

作り方は、材料を混ぜ合わせるだけととっても簡単で、白ご飯に乗せればできあがり。料理教室の生徒さん曰く、本当に疲れて何もしたくない日も作れる“限界レシピ”。

卵黄を崩しながら食べるとキムチの辛さがまろやかに。新作レシピはご主人に試食してもらうそうで、これもお墨付きの味です。

“料理で褒められる人を増やしたい”そんな想いが込められた料理教室への挑戦!

こうして自分らしいレシピを構築してSNSで発表するかたわら、橋本さんが新たに挑戦しているのはマンツーマンの料理教室。“レンジやトースターで完成する料理を知りたい”、“メイン中心で教えて欲しい”など、生徒さんからのリクエストによる完全オーダーメイドの内容です。


料理教室は「美味しいレシピがあるのだからもっとみんなに教えてあげた方がいいよ」という、ご主人からの後押しもあったそう。

 

「料理教室を大人数でやらないのは、ひとりひとりと向き合いたいからです。私が作るのは家庭料理なので、高級食材も出てこないし、驚くような感動はないと思うんです。でも、手間を省いても美味しい作り方のノウハウはしっかりお伝えしているので、“本当に簡単!”と感動していただけることが多いですね。家族に作ってよかったと思ってもらえるのが嬉しいです」

また、生徒さん一人一人と向き合うことで、本当に必要とされているニーズをキャッチアップすることができるのも、マンツーマンスタイルの料理教室だからこそ。

「本当に困っていることを生徒さんから直接お伺いすることができるので、忙しい方が家庭で作りたいと思えるレシピを開発することができます」

料理教室の生徒さん以外からのリアルなお悩みを聞くためには、インスタグラムをマーケティングツールとして活用していると言います。

「インスタのストーリーでどんなレシピを知りたいのか、教えて欲しいのかを聞くのも参考になります。今は自分も子どもを産んで時間が限られているので、忙しい人や子育てを頑張っている人の気持ちがよくわかるんです。そんな方たちのために、美味しくて作りやすいちょうどいいレシピを考えるのが使命だと思っています」

即日読者からの反応がわかる料理系メディアで運営をされていたことがある橋本さんだからこそ、読者が求めているレシピ開発にかける思いは人一倍強いのでしょう。今後の活躍から目が離せません。

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撮影/田尻陽子 取材・文/岡井美絹子

橋本彩

料理家、インスタグラマーとして、雑誌やWebを中心に活動中。日々の料理を投稿したInstagram(@ ponkotsu_0141)のフォロワー数は40,000人超え。実用的で簡単、SNS映えするレシピを得意とする。
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