美薬膳をコンセプトに体も心も元気になる料理を紹介
今回お伺いしたのは、東京都中野区にある薬膳教室「WALNUTS KITCHEN 薬膳スタジオ」。国際中医薬膳師の資格を持つ主宰の田中奈津子さんは、大病を患ったことを機に食生活を見直し、薬膳と出会います。その中で、おいしく食べながら心身を調えられる薬膳のすばらしさを体感し、薬膳教室を開講しました。
「薬膳1dayクラス」は定員5名までの少人数制で、実習が中心。まず薬膳の考え方や薬膳で使う食材の説明から始まり、重要なポイントは冷蔵庫の扉を活用したホワイトボードに書き出してくれるので理解が深まります。また、座学の際に出すお茶は、生徒さんの顔色を見て生薬を選ぶのがお決まり。この日は、麦門冬と紅茶をブレンドして氷砂糖を入れた、体に潤いを促す薬膳茶でもてなしてくれました。
冬のレッスンは「Come”温”Winter」をテーマに、体を温める食材を組み合わせた料理3品を作ります。「赤や橙色など、暖色系の食材は体を温めたり、元気にしてくれるものが多いんですよ」と、食材を並べたバットを見せながら説明する田中さん。文字ではなかなか頭に入らないことも、これなら一目瞭然で、生徒さんたちも「見た目で判断できて覚えやすい」と納得の様子でした。
まずは、メインディッシュの「チキンのソテー温果実と蜂蜜のソース」の仕込みから。先生が愛用する貝印の包丁「関孫六 匠創 三徳 165mm」を使って鶏肉の下処理を行います。「この三徳包丁は、切りにくい鶏皮もストレスなく切れて、皮目もきれいに焼き上がります」。
先生によるデモンストレーションの後は、生徒さんたちに作業を振り分け、実習に入ります。「薬膳を正しく楽しく伝えたい」という信条のもと、ちょっとした疑問も残さないよう、生徒さんたちの質問に丁寧に答えながら、和気あいあいとした雰囲気でレッスンが進みます。
チキンソテーに合わせる温果実ソースには、体を温めてくれる金柑を使用。まず、水と一緒に鍋に入れて沸騰させ、ワックスを取り除いてから甘露煮を作ります。「金柑の甘露煮はヨーグルトに入れたり、そのまま食べてもおいしいので、多めに作っておくと保存が効いて重宝しますよ」。