料理の腕が上がる包丁砥ぎ講座

イベント

「Kai House Club」が会員の皆様に向けて定期開催している、食にまつわる特別セミナー。今回は、初代包丁マイスターであり、貝印社員として包丁マイスターの育成や国内外で包丁砥ぎ講師などを務める林泰彦さんに学ぶ「包丁砥ぎ講座」をリポートします。

2019年06月20日

一見強面(こわもて)、けれど温かなホスピタリティーとユーモアに溢れる林さんの講義には、笑ったりうなずいたりしながら、参加者の皆さんは終始夢中で聞き入っていました。

まずは多彩な素材がある包丁の種類について学びます。包丁というと多くの人はその素材は鉄、鋼(はがね)、ステンレスを思い浮かべるのではないでしょうか。実は「鉄」は単体だと柔らかすぎ、刃物にするには不向き。鋼は硬くて強いけれど錆びやすい、ステンレスは硬くて錆びにくいけれど市場に流通しているものの品質差が大きいので買う時には注意が必要、など、刃物には実は、覚えておくべきさまざまな特徴があります。さらに刃物のクオリティを決める3要素として、“素材”“焼き入れ”“刃付け”があり、それらの組み合わせで価格が決まる、というレクチャーがありました。包丁の種類と用途について詳しい解説がなされたあと、林さんが砥いだ包丁と、そうでない包丁を使って、参加者全員が野菜を切り比べます。

もちろん工場仕上げの包丁もよく切れるのですが、林さんが丁寧に砥ぎ上げた包丁の切れ味といったら、まったく食材の抵抗を感じないといってもいいほど! 「切り口のみずみずしさが違う」「噛んだときの音が違う」と、一同、切り心地だけではない違いにも驚きます。「私は玉ねぎを切っても涙が出たことがないんですよ」と林さん。

ここで休憩時間。参加者の皆さんは、展示されていた用途別のさまざまな包丁に触れたり、もう一度砥ぎたての包丁の切れ味を確かめたり、気になっていたことを林さんに質問したりと、包丁への関心が一気に高まったようです。

第2部では、実際に林さんが包丁を砥ぎながら、砥ぎ方をレクチャーします。包丁によって刃の付け方が異なり、砥ぎ方も違ってくるため、今回は両刃の洋包丁で紹介。研ぐ前に砥ぎ石を15分くらい水に浸けておくことや、刃を石に当てる角度は15°ほどに保つのが理想的で、両刃の包丁であれば両面合わせて30°、女性の小指の第一関節くらい挟んだ角度で安定させること、また砥ぎ石は真ん中がえぐれたり折り返しによる角度のブレを少なくするために、縦の幅いっぱいまで使って砥ぐことなど、細かいポイントを丁寧に紹介。

「押すときも引くときも力を入れず、ゆっくりでいいので正確に砥ぐことを意識してください」と林さん。

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子

講師紹介

林泰彦(ハヤシヤスヒコ)さん

包丁シニアマイスター。初代包丁マイスター。小学校2年生の時から包丁を研ぎ始め、包丁研ぎ歴約50年というキャリアの持ち主。現在は貝印社員であり、包丁シニアマイスターとして社内の包丁マイスターの育成に携わるとともに、国内はもとより海外でも包丁研ぎのセミナーやデモンストレーションに登壇、Twitterでは約5.8万人の視聴者を獲得するなど、包丁研ぎ界の巨匠として活躍中。


 

 

 

Information

「Kai House Club(カイハウスクラブ)」

正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。

 

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