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岩手県八幡平市PR企画  オンライン料理イベント

2023年02月16日

2023年1月17日、東京・秋葉原にある貝印株式会社のキッチンスタジオ「Kai House」で、岩手県八幡平(はちまんたい)市の食材を紹介するオンライン料理イベントが行われました。八幡平市商工会とKai House Clubが連携して行っている「伴走型小規模事業者支援推進事業」の一環として、Kai House Club所属の料理家に向けて企画されたものです。講師に麻布十番のイタリアレストラン「ピアットスズキ」の鈴木弥平シェフをお迎えし、70名を超える料理家が参加しました。大盛況だったイベントのレポートをご紹介します。


「脂のキレがいいのが特徴で、お店でも使っていますよ」と、鈴木シェフも愛用している“杜仲茶ポーク”は、ロース肉を低温調理で「杜仲茶ポークのプロシュット・コット」に、肩ロース肉を「杜仲茶ポークリエット」に使用。肉質を考慮して無駄なく使うコツを伝授してくれました。

「それにしてもこの包丁は切れ味がいいね。僕も狙っているんだよね。イタリア人シェフにも人気なんですよ」と、貝印の「旬」の包丁についても絶賛!

「安比まいたけのマリネ」に使った“安比まいたけ”も、鈴木シェフお気に入りの食材です。

「“安比まいたけ”は水分を多く含んでいるので、水を使わず調理することが多いです。出てきた水分も香りがいいのが魅力ですね。この水分をどういう風に残すか、それとも抜くのかを調理によって決めます。今回はマリネということで、強火で炒めて水分を抜き、きのこの旨みを凝縮させました」と、安比まいたけの特性を活かした調理方法を教えてくれました。

「八幡平牛スネ肉のソプレッサータ」は、牛肉の濃厚な旨みが押し寄せる至福のメニューです。
「牛スネ肉をじっくり煮込んでテリーヌ型で冷やし固める、日本でいう煮凝りのようなものです。時間がかかるだけで簡単なのに、見栄えがいいので、おもてなしにも重宝します」と鈴木シェフ。

仕上げに使ったのが、“山ぶどう塩”と“山ぶどう新芽のピクルス”です。

“山ぶどう新芽のピクルス”は、「プチプチした食感が面白くて、アクセントにおすすめ。酸味も穏やかなので、今回はリエットにトッピングしました」と鈴木シェフ。

山ぶどうのほのかな甘みと酸味を加えて色鮮やかな塩に仕上げた“山ぶどう塩”は、「ほんのりした山ぶどうの味と香りが特徴です。お皿の中にこういう山ぶどう色があると素敵ですよ」と、視覚面の美しさを配慮することへの大切さについても教えてくれました。
使用した八幡平の食材:
・肉の横沢「杜仲茶ポーク」「牛スネ肉」
・安比まいたけ「安比まいたけ生パック」
・WILDGRAPE FARM八幡平山ぶどう農園「山ぶどう新芽のピクルス シナモン&クローブのセット」「山ぶどう塩」

「九条ネギと白子 カラスミのパスタ」は、八幡平で作られた “九条ネギ”を使用。京野菜で知られる九条ネギですが、温暖化の影響で八幡平でも栽培されるようになっているのだそう。とろける白子の旨みと九条ネギの甘さが一体化した、上品な味わいです。

九条ネギは、白子ともに煮て風味を楽しんだり、香ばしく揚げて甘味を引き出してトッピングにしたりと、それぞれ違った魅力が引き出されています。
使用した八幡平の食材:みのり風土「九条ネギ」

にんにくの切り方や乳化の考え方など、奥深いパスタの話だけでなく、料理人としての心意気についても聞かせていただき、学びの多いイベントとなりました。

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撮影/佐藤朗  取材・文/岡井美絹子