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「富山を味わう・富山に触れる」勉強会

イベント
2021年12月15日

2021年11月9日、10日の2日間、東京・日本橋にある富山県のアンテナショップ「日本橋とやま館」で、富山の食に関する勉強会が行われました。本勉強会を皮切りに、参加者による富山食材の魅力をお伝えするメニュー考案が行われ、日本橋とやま館等で発信される予定です。

続いては、富山県の生産者さんによるオンラインでの講演です。まずは、富山県黒部市にある羅臼昆布の取り扱い日本一の老舗昆布問屋・「四十物(あいもの)昆布」の会長による、昆布のプレゼンテーションです。

実は、“昆布の消費量トップクラス”を誇る富山県。「99%が北海道でとれる昆布が、なぜ、富山で消費されているのか?」という興味深い富山の食文化の謎にはじまり、昆布の栄養や健康効果、多彩な昆布料理などのエピソードが次々に!

昆布はそのまま出汁に使うだけではなく、他の地域では見られない板がなく昆布で巻かれた昆布かまぼこ、とろろ昆布、おつまみ昆布など昆布の加工品が豊富で、なんと昆布締め専用の大きな昆布まで品揃えされているというから驚きです。昆布を使ったメニューのバリエーションの豊富さは、試食メニューにも反映されており、「四十物昆布」の天然羅臼昆布の出汁、黒とろろのおむすび、昆布巻きのかまぼこ、スズキの昆布じめと、さまざまな形で昆布の魅力を堪能できました。

次は、富山県氷見市の水産加工会社「柿太水産」の6代目が登場。氷見漁港から水揚げされたばかりの新鮮な魚を、鮮度のいいうちに加工して販売しておられます。6代目がとくに太鼓判を押すのが、“氷見いわし”。「氷見いわしで作るうちの煮干しは、品質にこだわり、鮮度を逃さない加工方法で作られます。もちろん無添加で、頭と内臓を取り除かなくても雑味のないクリアな出汁がとれると評判です。市販の他の煮干しは食べないというペットも、うちの煮干しだけは食べてくれます」と、自信をのぞかせます。

たしかに、丸ごと食べても苦味のない煮干しは、ツヤツヤと光っていて見るからに美味しそう! 氷見産のいわしは、カルシウムや鉄分が全国平均よりも多く含まれていて、栄養価の面でも優れているそうです。また、雑味のでない水出し煮干し出汁のとり方や、だしがらを使った美味しい一品も教えてくれました。

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撮影/田尻陽子 取材・文/岡井美絹子