メールの書き方、正解と注意点【ビジネスマナー塾】

【ビジネスマナー塾】メールの書き方、正解と注意点

オフィシャルな場に不慣れな人でも、すぐに役立つビジネスマナーをお伝えする連載がスタート! 今まで企業での勤務経験がなかったり、ビジネスの場で人とコミュニケートする機会が少なかった、そんな人こそぜひ一度目を通してみてください。

初回となる今回は、信頼されるビジネスメールの書き方、送り方について。仕事でメールを使う機会は多々あるものの、そのたびにビジネスメール特有のマナーについて悩んでいる人も多いのでは? たった一度のメールのやり取りでチャンスを逃したり、信頼を失ってしまうこともあるけれど、ちょっとしたコツを知るだけで一気に便利なビジネスパートナーになってくれるはずです。「基本のき」についてまとめてみました。

2018年04月1日

今や、「メールが苦手」なんて言っていられない時代

【ビジネスマナー塾】メールの書き方、正解と注意点

華やかな印象を持たれることが多いものの、実は料理家って多彩な表情が求められる仕事。

自分はどのタイプの料理家(もしくは未来の料理家)なのか今は判断がつかなくても、一つだけ確実に言えることがあります。それは、たとえフリー稼業で料理家という道を選んだのだとしても、今や他人と関わることなく働くのは難しい時代。もしあなたが素晴らしくおいしい料理が教えられる料理家だとしても、仕事で関わる相手にビジネスメール一本送れないようであれば、きちんとした“対価”を得られる仕事を手に入れるのは難しいことかもしれません。

ましてや、今まで友人や家族との間で、カジュアルなチャットメールでしかやりとりしたことがなかったのに、急に料理の仕事の関係でクライアントとオフィシャルなメールを交わさなくてはならなくなったら? ビジネスマナーなんて分からないのに、ビジネスメールだなんて! いったいどうしたら良いのでしょう。この場合のクライアントとは、相手が料理教室の生徒、商品企画を依頼してきたメーカー、あるいは掲載料理の相談をしてきた編集者でも同様。あなたに“ギャランティ”という報酬を払ってくれる人を指します。

ビジネスメールが苦手でも電話で用件を伝えればOK?

ひと昔前であれば、仕事のやりとりといえどもメールだけで済ませてしまうことに抵抗感を持つ人も多かったのです。なんとなく心が通わない感じがあるとか、メールだけでは伝えられないニュアンスでも実際に会ったり電話でなら伝えられるとか、そんなことを理由にして。

しかし、時代は変わりました。今や「仕事案件のやりとりは、基本はメールで済ませよう」という人が大多数です。最近は、フリーで仕事をする料理家などは個人情報保護の観点から、名刺に電話番号や住所を記載することさえあえて避ける人もいて、それでもメールアドレスがあれば、当たり障りなく仕事が続けられる世の中になったのです。

仕事のやりとりは何から何まですべてメールで行うのが正解、という話ではありません。肝心なのは、“コミュニケーションのTPO”的なものが重視されるようになった現代では、メールで済ませるべき案件を電話してきたり、逆に電話するべきタイミングなのにメールで済ませたりということを続けていると、「この人に仕事を任せて大丈夫かな?」と、軽いマナー違反だと思われたりすることも。

SNSメールで軽く伝えてもいいこと。ビジネスメールで伝えるべきこと。電話で伝えた方が良い繊細なニュアンス。直接会って話さなければならない案件。それらの境界がどこにあるかを判断できる力が、料理家や若い世代に限った話ではなく、現代の社会人には求められているのです。

相手の状況を想像すると、コミュニケーション手段の正解はおのずと分かる

メールか、電話か。難しく感じてしまいそうですが、判断するのは簡単です。自分の状況ではなく、相手の状況や性格、やり方を考えれば、どの通信方法が適切なのかはおのずと分かるはず。

例えば、何かのパーティーで出会った出版社の編集者から届いたメール。「雑誌でレシピを紹介する仕事に興味があれば、一度連絡ください」とあったら、どう対応するのが良いのでしょうか。

こういう場合は、もちろんメールでの返信でOKです。もし、あなたがかねてよりずっとその雑誌で仕事がしたいと思っていて、先方からの連絡に舞い上がってしまったとしても、電話する必要はありません。「連絡ください」と言われていても、きっと相手は忙しい業務でしょうし、どんな性格の人かもまだよくわかりません。ごくシンプルな文面のビジネスライクなメールで、先日のお礼や、仕事に興味があること、過去の仕事例などをごく簡単に伝え、連絡方法については、あなたのメールアドレスと、伝えて良いなら、仕事に使っている電話番号を記載しておけばビジネスマナーとしても十分です。

その他についても、基本的に相手のテンションに沿った形でコミュニケートしていれば、大きく失敗することはありません。また、メールだとやりとりの履歴が残るので、新規の仕事が始まる時などはなるべくメールのやり取りにしておけば、後から仕事内容やギャランティについて確認する場合にも便利です。

ビジネスで電話を使うタイミングとは、緊急案件を伝える時

仕事のやりとりの基本はメールの方が便利であることが多い一方、絶対に電話をした方が良い時もあります。それは、緊急時です。

仕事で料理セミナーに向かう途中、道が渋滞してタクシーが動かなくなった(遅れそう!)。生産者から取り寄せた食材をレッスンに使おうとしたら傷んでいた(誰かがこれを食べたら体調を崩すかも!)。このような時にメールで状況を報告するのはNG。マナー違反です。SNSのメッセージなどもやめた方がよいでしょう。緊急を要する場合は電話で伝えるのが正解です。

また、コミュニケーション能力の高い人は、シチュエーションに応じてあえて電話を使うことも。頑張り屋の生徒がソムリエ試験に合格したと知った時、あえて電話をかけておめでとうと伝えるなど。意外な電話だったとしても、賞賛の気持ちを直に伝えられたらきっと相手は感動します。もちろん、その場合も、相手が忙しそうな時間帯は避けること。声色を見て、喜んでいる様子が感じられたら「おめでとう」と優しく伝えることです。

ビジネスメールの基本マナーは「短く、シンプル、平易な言葉」

ビジネスメールの書き方について

それでは、具体的なビジネスメールの書き方について考えてみましょう。

家族や友人以外の人とやりとりをする場合、もしくはギャランティや責任が発生する案件でやりとりする場合のメールは、すべて「ビジネスメール」と呼ばれるものです。

相手が著名人だろうが年下の新米だろうが、高報酬の仕事でも無報酬のボランティアでも、書き方や文章の温度感はなるべく冷静に、一定のスタンスを保つのがおすすめです。相手や案件の重要さによって文調がコロコロと変わるようでは、いつまでたってもビジネスメールに慣れることができず、相手からも信用されません。

ビジネス書やインターネットを検索すれば、お手本となるものは山ほど見つかります。用例が多すぎて、逆に自分に合ったビジネスメールやマナーがいまいちよくわからないという人なら、身近にいるビジネスで尊敬できる先輩がどんなメールのやり取りをしているか、見せてもらうのがおすすめ。徐々に、通りいっぺんのビジネスメールではなく、クールな中にも個性をきちんと表現できる書き方が感じられるようになるはずです。

「To」「CC」「BCC」ってどんな違いがある?

一般的なメールにはたいてい「To」「CC」「BCC」という便利な機能があります。新規のビジネスメールを書くとき、宛名欄を探せばこれらのアイコンがあるのでチェックしてみてください。

「To」は文字通り宛先人のことで、今から書くメールの内容を最も伝えたい人のメールアドレスを入れます。宛先人の他に、「あの人にもこのメールの内容を伝えておきたい」と思ったら、その人のアドレスは「CC」欄に。「カーボンコピー」の略で、「情報を共有してください」という意思表示となります。ただし、「CC」欄に複数名のアドレスを入れる場合、メールアドレスが先方同士でも開示状態になるので、相手が知人同士でない場合は無断でメールアドレスが明かされたことになるので気を付けて。一人ずつ送るのが正解です。

では「BCC」は? これは「ブラインドカーボンコピー」の略で、「CC」と似ているものの、「BCC」の宛先のアドレスは、他の「To」や「CC」に入れた人たちからは見えません。要するに「他の人には伝えませんが、あなたも内容を把握しておいてください」という意味があります。

「こんな機能、私にはあまり関係なさそうだわ」と思うかもしれませんが、意外に便利。例えば、料理教室でイベントの開催が決まったとき、なるべく多くの生徒に知らせて来てもらいたいと思うこと、ありませんか。そういう時に役立つのがこれらなのです。

来てもらいたいけれど全員が繋がっているわけではない生徒たちのアドレスはすべて「BCC」に入れてみてください。一人一人に届くメールには他の生徒のアドレスは記載されることなく、1回のメール送信でたくさんの人に同じ内容を伝えられます。

件名の書き方の正解「とにかく簡潔に」

誰かにおいしい料理を作ってあげたい、便利なレシピを多くの人に伝えたい。生まれながらにそんなホスピタリティーを持つのが料理家という人種。サービス精神旺盛である一方、何をやるにも丁寧すぎて回りくどくなってしまう人も少なくありません。

特に、文章を書くのに慣れていない人はその傾向が顕著です。丁寧なのはいいことですが、度がすぎると大事な内容が相手に伝わらなくなることも。

例えば、下記の2つの件名を見た時、どちらのビジネスメールの送信者が「仕事がしやすそう」と感じますか?

  • 「先日はありがとうございました、フランス家庭料理研究家の●●より、日曜日のレッスン内容の一部、デザートメニューの食材を変更していただけますか?」
  • 「【ご検討のお願い】●月●日(日)レッスン内容変更について」

正解は、後者。ビジネスメールの「件名」に入れるべき要素は実は割に少なく、基本的には主題(内容を端的にあらわす言葉)のみでOKです。

本文の書き方の正解 「優しい人」より「仕事ができる人」と思われよう

続いて本文の書き方です。これも件名と同じく簡潔であることが何よりも重要です。
イメージで言うなら、「この件を知らない第三者がメールを読んだとしても内容を理解できるくらい」が正解です。

会って話をするのに比べ、ビジネスメールの場合、挨拶めいた話題はある程度端折ってしまう方がスマートです。天気の話題や前回会った時のことを何行も書き連ねるのではなく、「先日はありがとうございました。(改行して)さて、次回のレッスンの内容ですが……」とか、「寒い日が続きますね。(改行して)ご依頼いただいたレシピの件ですが……」など、早々に本題に入っても構いません。

また、よくやってしまいがちですが、会社名に「さん付け」も不要です。読みやすく相手を疲れさせないメールを書こうと思ったら、シンプルに、クールに、要件がわかりやすいのが一番。最後の方に「取り急ぎ用件のみ、失礼いたしました」と入れれば、冷たい人だと思われるようなことはありませんのでご安心を。

ビジネスメールの緊急事態。お詫びのメールはどう書く?

注意を払って仕事に取り組んでいても、思わぬミスをしてしまうこともあります。お詫びのメールは、ビジネスに不慣れな人にとっては最も頭を悩ませることかもしれません。

ケースバイケースではありますが、一般的に「お詫びメール」というのは、いわゆる「始末書」のようなものです。感情や後悔の念をくどくど書き連ねるのではなく、結果(こんなことが起きた)→経過と理由の説明→対処法→短い言葉で最大のお詫びを表して締める、のが、たとえ最悪の状況下でも唯一打てる手だと思ってください。
ここでも、前述したように「簡潔に書く」のがルールです。

ただ、それでも気持ちが落ち着かないようなら、ここで一度電話を入れても良いでしょう。「一言だけお詫びをお伝えしたくて。メールで状況はお伝えしましたので、落ち着かれたら一度、改めてお詫びさせてください」と伝えれば、とりあえず出来ることはこれですべて。あとは先方の対応に合わせて待ちましょう。

添付フォルダの効果的な使い方

添付書類が付けられるのもメールの利点です。今やSNSメールでも画像や書類の添付は可能ですが、扱いやすさを考えるとまだまだメール添付の方が便利。

ビジネスメールに書類や画像を添付するのにも、実はちょっとしたコツがあります。

メールの本文中に貼り付けるのではなく、料理のイメージ写真は添付にする方が実は親切。説明書類も別で添付されるのなら、書類中に画像を貼り付けると、説明とイメージ写真がセットで見られるので分かりやすく、さらに資料としての完成度が上がります。

料理家にとって、添付書類で多いのは企画書やレシピ、見積書など。長々と本文中にベタ打ちで入れるのではなく、なるべくシンプルな形にまとめて添付する方がベターです。

企画書やレシピの書き方については、今後改めて別の回で考察するのでご期待ください。

ビジネスメールで許されること、許されないこと

ビジネスメールでやってはいけないこと

最後にお伝えするのがビジネスメールでやってはいけないこと。世界中に時間を気にせず気軽に送れるメールですが、タブーも多々あります。

メールは基本的に、送ってしまったら最後、取り消しはできません。SNSの投稿なら、送った後で消したり編集したりできる場合がありますが、フェイスtoフェイスのコミュニケーションと同じで、ビジネスメールでのやりとりで発してしまった言葉は、たとえ本意で書いたことでなくても元どおりにはなりません。

そのため、誰にメールを送るにしても、「このやり取りは公的なものなのだ」という意識を常に持っておくことが大切。相手からの否定的なメールに感情的になってその場で返信するとか、深夜などに思いのたけを綴ったメールを読み返すことなく送信するなどは、もってのほかです。

まとめ

御礼、依頼、勧誘、承諾、確認、質問、お詫び……。たとえ感情が伴う件でも、社会人たるもの、まずはクールに文章でやり取りできるようにならなければ、快適に仕事を続けることが難しいのが昨今です。

今や、SNSのメール機能を使ってもある程度の仕事のやりとりはこなせるようになった便利な時代ですが、不特定多数の人に対して食の大切さを伝えることができる料理家になるためには、やはりきちんとしたビジネスメールの対応ができたほうが有利です。

ビジネスメール上手になるには、とにかく慣れること。毎日数回、メールチェックする習慣を身に付け、ここぞというシーンでは、SNSや電話ではなくビジネスメールでやり取りするクセを、ぜひとも身に付けてください。

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