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ビジネスメールの書き方、正解と注意点

スキルアップ
2018年04月1日
オフィシャルな場に不慣れな人でも、すぐに役立つビジネスマナーをお伝えする連載がスタート! 今まで企業での勤務経験がなかったり、ビジネスの場で人とコミュニケートする機会が少なかった、そんな人こそぜひ一度目を通してみてください。 初回となる今回は、信頼されるビジネスメールの書き方、送り方について。仕事でメールを使う機会は多々あるものの、そのたびにビジネスメール特有のマナーについて悩んでいる人も多いのでは? たった一度のメールのやり取りでチャンスを逃したり、信頼を失ってしまうこともあるけれど、ちょっとしたコツを知るだけで一気に便利なビジネスパートナーになってくれるはずです。「基本のき」についてまとめてみました。

件名の書き方の正解「とにかく簡潔に」

誰かにおいしい料理を作ってあげたい、便利なレシピを多くの人に伝えたい。生まれながらにそんなホスピタリティーを持つのが料理家という人種。サービス精神旺盛である一方、何をやるにも丁寧すぎて回りくどくなってしまう人も少なくありません。
特に、文章を書くのに慣れていない人はその傾向が顕著です。丁寧なのはいいことですが、度がすぎると大事な内容が相手に伝わらなくなることも。
例えば、下記の2つの件名を見た時、どちらのビジネスメールの送信者が「仕事がしやすそう」と感じますか?

  • 「先日はありがとうございました、フランス家庭料理研究家の●●より、日曜日のレッスン内容の一部、デザートメニューの食材を変更していただけますか?」
  • 「【ご検討のお願い】●月●日(日)レッスン内容変更について」

正解は、後者。ビジネスメールの「件名」に入れるべき要素は実は割に少なく、基本的には主題(内容を端的にあらわす言葉)のみでOKです。

本文の書き方の正解 「優しい人」より「仕事ができる人」と思われよう

続いて本文の書き方です。これも件名と同じく簡潔であることが何よりも重要です。
イメージで言うなら、「この件を知らない第三者がメールを読んだとしても内容を理解できるくらい」が正解です。
会って話をするのに比べ、ビジネスメールの場合、挨拶めいた話題はある程度端折ってしまう方がスマートです。天気の話題や前回会った時のことを何行も書き連ねるのではなく、「先日はありがとうございました。(改行して)さて、次回のレッスンの内容ですが……」とか、「寒い日が続きますね。(改行して)ご依頼いただいたレシピの件ですが……」など、早々に本題に入っても構いません。
また、よくやってしまいがちですが、会社名に「さん付け」も不要です。読みやすく相手を疲れさせないメールを書こうと思ったら、シンプルに、クールに、要件がわかりやすいのが一番。最後の方に「取り急ぎ用件のみ、失礼いたしました」と入れれば、冷たい人だと思われるようなことはありませんのでご安心を。

ビジネスメールの緊急事態。お詫びのメールはどう書く?

注意を払って仕事に取り組んでいても、思わぬミスをしてしまうこともあります。お詫びのメールは、ビジネスに不慣れな人にとっては最も頭を悩ませることかもしれません。
ケースバイケースではありますが、一般的に「お詫びメール」というのは、いわゆる「始末書」のようなものです。感情や後悔の念をくどくど書き連ねるのではなく、結果(こんなことが起きた)→経過と理由の説明→対処法→短い言葉で最大のお詫びを表して締める、のが、たとえ最悪の状況下でも唯一打てる手だと思ってください。
ここでも、前述したように「簡潔に書く」のがルールです。
ただ、それでも気持ちが落ち着かないようなら、ここで一度電話を入れても良いでしょう。「一言だけお詫びをお伝えしたくて。メールで状況はお伝えしましたので、落ち着かれたら一度、改めてお詫びさせてください」と伝えれば、とりあえず出来ることはこれですべて。あとは先方の対応に合わせて待ちましょう。

添付フォルダの効果的な使い方

添付書類が付けられるのもメールの利点です。今やSNSメールでも画像や書類の添付は可能ですが、扱いやすさを考えるとまだまだメール添付の方が便利。
ビジネスメールに書類や画像を添付するのにも、実はちょっとしたコツがあります。
メールの本文中に貼り付けるのではなく、料理のイメージ写真は添付にする方が実は親切。説明書類も別で添付されるのなら、書類中に画像を貼り付けると、説明とイメージ写真がセットで見られるので分かりやすく、さらに資料としての完成度が上がります。
料理家にとって、添付書類で多いのは企画書やレシピ、見積書など。長々と本文中にベタ打ちで入れるのではなく、なるべくシンプルな形にまとめて添付する方がベターです。
企画書やレシピの書き方については、今後改めて別の回で考察するのでご期待ください。

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