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話題のシェアキッチン キッチンベース

インタビュー
2019年10月31日

いま、飲食業界には、テクノロジーの進化によって様々な変化が訪れています。料理を取り巻く最新の動向にくまなくアンテナを張ることは、時流にきちんと乗った料理家への近道です。本連載では、料理にまつわる話題の取り組みや料理教室運営方法のノウハウなどをお伝えしていきます。調理技術を磨くと同時に、情報をアップデートし、“できる料理家”を目指しましょう。
第一回目は、客席を持たないレストラン“ゴーストレストラン”や、ひとつのキッチンを複数のシェフが使い合う“シェアキッチン”について。海外ではすでに注目を集めている新業態が日本でも盛り上がりつつあることをご存知ですか? 2019年6月、中目黒に誕生した画期的な飲食店「キッチンベース」は、複数の厨房を備え、それぞれ独立したレストランが一棟にまとまっているという日本初の形式。そんな話題の飲食店を立ち上げた(株)SENTOEN取締役COO野原陽平さんと、個人のシェフとしてキッチンベースに出店しているタイ出身のタワンドンさんにシェアキッチンの魅力を伺いました。


タワンドンデリ&カリーのタワンドンさん。マンダリン オリエンタル バンコクが主催する1年間のクッキングスクールで学び修了。その後日本で複数の飲食店に勤務し、2019年6月からキッチンベースに参加。

人気のタピオカミルクティーはタワンドンさんが毎日手作り。ブルーのミルクティーは、バタフライビーという花のエキスによるもの。タイミルクティー583円、タイパープルミルクティー583円。

ハンレーカレーやサイウアといった故郷チェンマイの味を「シグネチャーメニュー」、誰もがよく知るタイカレーを2つ目の軸と位置付けているタワンドンさん。写真はハンレーカレー1458円。(サイウア・辛口ソーセージは季節限定品)

「グリーンカレーは、嬉しいことに1日に朝晩オーダーした人もいたほど」(タワンドンさん)グリーンカレー1458円。

レモングラスやパクチーの茎、ターメリックなどのフレッシュハーブがたっぷり入った辛口ソーセージも人気。「もちろん僕の手作りです」(タワンドンさん) サイウア691円。(サイウア・辛口ソーセージは季節限定品)

4つのキッチンが並ぶ店内。SENTOENの自社厨房では、一人のシェフが4ブランドを切り盛り。「僕らも実際に運営しながら、次の構想のアイディアやテストをしています」(野原さん)。

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撮影/山下みどり 取材・文/佐々木彩