
売り出していきたいならビジネス用プロフィール写真は「目線あり・笑顔」で
さて、カメラの前に立ったら、自分自身の表情やポーズが気になります。緊張しやすいタイプの人や、“自然な写真にしたい”“自分の顔に自信がない”という人の場合、横顔やうつむいた顔などの写真を希望する人も多いようですが、神戸さんは“目線あり・笑顔”の写真がおすすめだといいます。
「これからその写真で、生徒さんにたくさん来てほしい、いい仕事を受けたいと思うなら顔は見せたほうがいいし、硬い表情よりはやわらかい笑顔のほうがいいでしょう。真正面が嫌でも、せめて人相がわかる程度の斜め顔までがおすすめ。目線を外していても、両目がちゃんと写っている程度には顔を見せたほうがいいと思います。そして好感度が高いのは、女性ならやっぱり、自然なやわらかい光のなかで、肌もきれいに見える写真です。そういう写真は、いわゆる“おしゃれで今っぽい雰囲気”を伝えてくれるもの。生徒もメディア側もそういう料理家に教わりたいと思う人が多いでしょうから、自分の好みには合わなくとも、マーケティング的な観点から、最低限の基準としては意識したほうがいいでしょう」
顔のコンプレックスは隠す? 開き直る?
顔立ちにコンプレックスがある人もいると思いますが、あまり気にしないほうがいいと神戸さん。
「もし目の大きさや鼻の形が左右違うというような悩みがあるなら、少し斜めから撮るという方法もありますから、カメラマンにぜひ相談してみてください。ほうれい線、シミ、シワ、ほくろ、また肌や歯、白目の色などは、現代のデジタル技術をもってすれば自然に修正が可能です。それを気にして微妙な表情になってしまうよりも、堂々としていたほうがいいでしょう」
表情が固くなりがちな人は、かわいい赤ちゃんやペットの動画などを見ながら撮ってもらうのも手と神戸さんはいいます。
「プロのカメラマンは日頃からプロのモデルと仕事をしているので、被写体が唐突な笑顔を浮かべたり、突然あらぬ方を見たりする瞬間にも慣れています。“カメラマンにどう思われるか”というような心配は一切せず、一緒にいい写真を残そうというつもりで、いろんな表情を試してみてください」
背景と光の使い方で雰囲気が変わる
今回、取材担当ライターが実験台となって、取材を行った部屋で実際に神戸さんに撮影してもらいました。細かいライティングなどは一切せず、使ったのはレフ板一枚です。同じ空間で、壁を背景にしたものと後ろの廊下を背景にしたもので挑戦。
「白い壁でも光をやわらかく使えば、シンプルで清潔感のある写真に仕上がります。一方、背景を活かし、後ろに少し空間を入れて光が落ちる感じを残すと、ニュアンスや高級感がプラスされます。自分の写真となると、ついつい自分の表情や自分の顔にばかり目がいってしまうものですが、人が見ているのは写真全体の生み出す“印象”です。光ひとつでも与える印象がずいぶん変わってくるということを、ぜひ覚えておいてください」
白い壁を背景にして撮ると、スッキリとしたシンプルな雰囲気に。

撮影/神戸健太郎

後ろのニュアンスを生かして撮ると、少し高級感のある雰囲気に。

撮影/神戸健太郎