SHIORIさんに学ぶイメージ戦略

スキルアップ

ソーシャルメディア(SNS)の発達のおかげで、今や誰でも料理家として自由に発信できるようになりましたが、だからこそライバルと自分の差別化を図るのが難しい時代とも言えます。自分の特徴を打ち出し、多くの人に共感してもらうにはどのようにすればいいのでしょうか。22歳で初の料理本を出版し、現在ではシリーズ累計370万部を超えるロングセラーに成長した「彼ごはん」の作者であり、今も進化を続けるSHIORIさんに、自分の価値を打ち出す方法を伺いました。

2019年02月19日

出版、メディア出演、料理教室、海外研修、店…。複数の柱が支え合う

現在は、年に2~3カ国、長いときは数カ月にわたる海外研修に出かけ、日本にいるときは料理教室と出版、そしてメディア出演をこなすSHIORIさん。さらに2017年には、100%ヴィーガンのファラフェルの店「Ballon」をオープンさせました。

「すべてが相乗効果を生み出していると思います。レシピ本を出版しても、他のレシピとどう違うのかはなかなか伝えきれませんが、料理教室というリアルな場があることで、実際に生徒さんに食べて納得してもらえます。一方、料理教室だけではお伝えできる人の数は限られてしまうので、そんな時に出版やメディアの力は絶大な効果があります。しかし、一気にさまざまなお仕事が動くので、自分が出て発信する機会も大切ですが、メディアでの露出は自分ですべてをコントロールするのは難しいもの。浮き沈みもあるし、想像外に悪い出方をしてしまうと悪影響もあるので、メディアだけに頼ってしまうのではなくいくつかの柱を常に持っておくことが大切だと思います」。

ファラフェルの店も、SHIORIさんにとっては新しい軸になっていると言います。

「海外研修先のフランスで、人々がとてもナチュラルに、おしゃれでおいしいヴィーガンフードを食べていることに感動し、このライフスタイルを日本にも定着させたいと思ったんです。振り返れば、それまで10年間“彼ごはん”で男子の胃袋を研究してきた自分だからこそ、男子受けするヴィーガン料理を作れれば日本でも浸透するはず!と一念発起し、挑戦を決めました。結果、小さなショップを地道に始めたここでの活動がもうひとつの軸となり、企業のメニュー開発でヴィーガン料理を依頼されることがとても増えました。こう考えると、複数の軸を持つことで救われてきた部分は多いと思いますが、最初から狙ってやったことは一度もないんです。逆に、狙ってやっていたとしたら、“ダメだ。全然成功しない”と思って早々に諦めていたかもしれません。大事なのは、どうしてもこれを伝えたいという情熱だと思います。時間・お金・労力、すべてを犠牲にする覚悟で伝えたいものは何なのか、それこそがその人の使命であり、それをいかにきちんと伝えるかを考えることが、結果的にセルフプロデュースにつながるのではないでしょうか」。

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子

お話を聞いた人:SHIORIさん(料理家)

代表作『作ってあげたい彼ごはん』をはじめ、著書累計400万部を超える。和食や世界各国で学んだ家庭料理を得意とし、料理教室『l’atelier de SHIORI』を主宰。中目黒で100%VEGANでサステナブルなファラフェルスタンド『Ballon』を経営する。

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