小泉さんは、TOKYO MXで10年間アナウンサーを務めた後、フリーアナウンサーとしてさまざまな分野で活躍しています。アナウンサー時代には、報道番組で悲しいニュースのあとに明るい話題を伝えなくてはいけないことも多々あります。そんな時、キャスターの微笑みがその場の空気を切り替える重要な役割も果たしていたそう。
「料理家のみなさんが、プロのアナウンサーと同じようなテクニックを身につける必要はもちろんありません。けれど、喜怒哀楽を今よりもう少し分かりやすく表現してみるだけで、周囲に与える印象がずいぶん違うということは、ぜひ知っておいてほしいと思います」と小泉さん。
先生がいつも笑顔なら、生徒の皆さんも安心して過ごせたり、楽しい気持ちになって、レッスンの雰囲気が良くなり、結果的に「あの先生のレッスンは楽しいね」とポジティブな印象で終わるでしょう。また雑誌やテレビの取材、撮影などになったとしても、先生の笑顔が印象的なら、スタッフの皆さんは「また一緒に仕事をしたい」と思うはずです。味の記憶と同じくらい、笑顔の記憶も料理家のビジネスに欠かせないエッセンスだということを覚えておきましょう。
笑顔の効果その3)ストレス軽減や集中力の助けにも
相手に与える印象だけではありません。実は笑顔でいることは自分自身のメンタルにも大きな影響を与えます。笑顔になることで、人は副交感神経が優位になって、イライラしそうなときにも穏やかになれたり、脳内にα波が分泌されて、集中力や記憶力がアップすると言われています。生徒さんや仕事相手といるとき以外でも、意識して笑顔で過ごすことで、自分自身の状態もよい方に整えてくれるのです。もちろん、日頃から笑顔で過ごせれば、生徒さんや仕事相手の方の前でも、自然に笑顔が生まれやすくなるでしょう。
小泉さん流・自然な笑顔の作り方
作り方のコツ1)自分の顔のクセやズレをチェック
そんな小泉さんに、「料理家に求められる笑顔とはどのようなものか」について伺いました。「みなさんが作るお料理が“おいしそう”と思われることにつながる笑顔が、何よりも大事。とは言え、例えば食品メーカーのCMに登場する女優さんのような笑顔を目指しましょう、という話ではないんです。まずは鏡を見て、自分の本当の顔を知るところから始めましょう。鏡に向かってニコっと笑い、左右どちらかにゆがんでいないか、両方の口角がちゃんと上がっているか、目が笑っているかなどをチェックします。人の顔は左右非対称なので、ズレは当然ありますが、“右側の顔を、気持ちオーバーめに笑ってみよう”などと少し意識するだけでも変わってきます。極端にゆがみを感じるなら小顔矯正のサロンなどを利用するのも手です!」。