冒頭でも「真剣になっているときの表情は意外と厳しい」という話を紹介しましたが、「人は仕事中のほとんどの時間、自分の顔は自分が思っているよりもずっと怖い表情を浮かべているものです」と小泉さんから衝撃のコメントが。
「化粧室などで鏡に写る自分の顔は、何気なく見たつもりでも瞬間的にみんな、無意識のうちに自分の一番いい顔を作っています。ふだんどんな表情をしているのか知るために、パソコンの脇にスタンド式の鏡を置いてみるといいですよ。仕事中でもこまめに見る習慣をつけてみてください。真剣になるとへの字口になったり唇をとがらせたりするクセのある人も結構います」
作り方のコツ3)プロフィール写真を撮るときの、笑顔の作り方
料理家の第一印象を目にするのは、実際に会った人だけではありません。ホームページやブログ、SNS、イベントのチラシなどで顔写真が掲載される機会も一般の人よりはずっと多いものです。「そんなプロフィール写真というのも、実は生徒さん集客の際の重要な鍵になる」と、小泉さん。
「料理家さんの多くは、誰かのためにおいしいものを作りたい、知らせたい、という“裏方仕事”に燃えてしまう人でしょう。そして料理への情熱がだれよりも強いのですから、ついつい自分がどう見られるかよりは料理のことを考えたいと思ってしまうのかもしれません。けれど、人は料理雑誌や料理教室のウェブサイトを見るとき、必ず料理家の顔写真も見るものです。会ったことのない人の料理写真だけを見て、『この人に料理を習いたい』と思わせるって、実はハードルの高いこと。本人が写っている写真が重要なファクターになるんです。そして、それが好印象でなければ、せっかくのおいしそうな料理にもアプローチするのはちょっと難しいことではないでしょうか」。
そんなとき、健やかな笑顔は欠かせない必需品だと小泉さん。料理家自身がプロフィール写真から醸し出す雰囲気が、料理の味の印象まで左右してしまうのだということを頭の片隅に置いておきましょう。
とはいえ、ふだんのコミュニケーションでは笑顔になれるけれど、カメラを向けられると急に笑顔がこわばってしまう、という人もいるでしょう。そんな人でもすぐ効果が上がる笑顔の作り方を教えてもらいました。
「プロフィール写真を撮影してもらう時、どこを見ればいいのかわからないという人は、フォトグラファーに“どこを見ればいいですか?”と臆せず質問しましょう。レンズの方を見てくださいと言われたら、ファインダーの向こうにいるのは大好きな人やペット、大好きな料理だとイメージすると、やわらかい表情が生まれます。また、自分の顔の左右で好きな側があるという場合は、ぜひそちら側から撮ってもらうよう、お願いしてみてください。カメラ目線で笑顔を浮かべるがどうしても苦手なら、皿などを手に持って盛り付け中のイメージでポーズをとるのも有効な手です。手に持った皿に向かって微笑むと、料理家さんらしいいい笑顔になると思いますし、カメラマンを見なくて済むので多少緊張感は和らぎます」。
そして、日頃からカメラに慣れることも大切。顔写真をたくさん撮られることも効果がある、と話してくれました。