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インスタグラム 料理写真の撮影法

スキルアップ
2019年01月15日

料理写真が素敵に撮影できたら、セルフプロデュースも料理レッスンへの集客力もぐっとUPするはず。では、上手な写真を撮るにはどうすればいいのでしょうか? 今回はインスタグラムで8万人近いフォロワーをもつ人気の写真家、Nana*さんに、インスタグラムならではの写真テクニックを教わりました。

それぞれの料理にぴったりの構図・アングルを選ぶための工夫


光のイメージが決まったら、次に構図やアングルの問題が出てきます。
「インスタにアップする写真は、全部同じ構図&同じアングルで統一しているという方も多く、それはそれで安定した感がありますが、常にコーヒーカップを投稿するとか、毎日朝ごはんのトーストという方でない限り、料理によって美しく見えるアングルや構図は変わってきますよね。どちらを優先したいかは、それぞれの方の撮りたい料理によっても違ってくると思います。私の場合は、その料理の伝えたい部分が一番伝わるアングルや構図、そしてもちろん光を選びたいので、それに合わせて変化させるようにしています。逆に、同じようなアングルや構図の写真がサムネイル上に続いてしまう場合は、連投せずに少し他の写真を挟んでから投稿するようにしています」。
アングルや構図だけでなく、情報量、メニュー内容、背景やテーブルの色なども、似たものが並ばないよう意識しているというNana*さん。隣同士はもちろんのこと、サムネイルの画面に9枚1画面として画像が並んだ時、上下に似たような写真が続いてしまう場合も植物の写真などを挟んで遠ざけるように工夫しているといいます。

縦位置、横位置の写真を掲載する場合も、「正方形」の構図を意識して


インスタグラムの写真というとつい正方形をイメージしてしまいますが、個々の投稿は縦位置(縦に長い画角)、または横位置(横に長い画角)でも投稿は可能です。けれど、インスタグラムに投稿すると、縦位置・横位置で撮影した写真でもサムネイルに上がる時には正方形にトリミングされた状態となります。よって、撮影する際は正方形にトリミングされた状態での天地や左右の余白も意識しているそう。
「プロフィール画面ではちょうど真ん中にトリミングされて正方形で表現されるので、その位置に肝心なものが写っているとか、その部分を切り取ったせいでバランスの悪い写真になったりすることのないよう心がけています」

「いいね!」を得るには「何が写っているか」のわかりやすさが重要


さて、ここでどういう写真に「いいね!」がたくさんつくかを伺うと「インスタグラムの場合、特に“何を言いたいか”が明確にわかる写真が好まれます」とNana*さん。
「いいねをつけるのはフォロワーさんだけではありません。多くの写真の中から自分の写真にたどり着いてもらう必要があり、その写真の良し悪しは表示された一瞬で判断されます。料理の場合は特に、引きで何が写っているのかわからないものよりも、寄りで美味しさが伝わりやすい写真、加えてシロップのつや感、冷たいドリンクのひんやり感、湯気が写っていて温かさが伝わるものなど、シズル感のあるもののほうが目に止まりやすく、またいいねがつきやすい傾向にあります。料理写真に限らずですが、要素を盛り込みすぎて何を言いたいのかわからない写真よりも、言いたいことがわかる写真の方が、見た瞬間に理解でき、共感につながりやすいですよね」。

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子 撮影協力/OVE南青山

お話を聞いた人●Nana*(なな)さん
花、料理、器などの写真を得意とする写真家であり、ライフスタイルセレクトショップ「AURORA」オーナー。広告写真撮影やスタイリングなどを手掛けるほか、NHK文化センター青山教室ほかで写真講座やワークショップを行う。Instagramアカウント#necozalenky_lilfe http://www.auroralifestore.com