見た人がインスパイアされ、行動したくなる動画
6年前にアメリカのサンフランシスコで誕生した動画メディア、「テイストメイド」。2年半前に日本に上陸し、すでに「インスタグラムで最も見られている料理動画」と呼ばれるまでに成長しました。今回は代表取締役社長のショーン・ニコルスさん、制作責任者の鈴木彩子さん、クリエイティブマネージャーの堀川藍さんにお話を伺いました。
「テイストメイドは3人のファウンダーが立ち上げた会社です。それぞれ映画やテレビなどのトラディショナルメディアで経験を積んでいたのですが、“今のミレニアルズはテレビなど見ないどころか、持ってすらいない。これからの時代はスマホなどのデバイスで動画を配信しなくては”と考え、自分たちが好きな世界、美味しいものやデザインセンスのある空間、旅、などをテーマに、当時デジタルメディアの世界では到達できていなかった、映画やテレビレベルのクオリティ動画を配信することに決めたんです」とショーンさん。現在日本では料理分野と、試験的に一部でビューティー動画を展開していますが、世界的には食やインテリア、旅など、ライフスタイル全般を扱っています。
「テイストメイドの“テイスト”とは味のことではなく、日本語で言えばセンスのようなもの。“Inspiring the taste of a Generation.”をコンセプトに、ミレニアル世代のセンスを触発するコンテンツを配信しています」
若い人が、若い人のために作る動画コンテンツ
左から、ショーン・ニコルス代表取締役社長、鈴木彩子制作責任者、堀川藍クリエイティブマネージャー。
「テイストメイドのターゲットはミレニアルズですが、実は作り手もミレニアルズ、ということも重要なコンセプトのひとつです。テイストメイドジャパンの平均年齢は、私をはじめとする数名のおじさんを入れても(笑)27歳です」とショーンさん。今回取材に答えてくれた、テイストメイドジャパンのクオリティを支える鈴木さんと堀川さんのふたりもミレニアル世代です。では、ミレニアルズはどんな動画を求めているのでしょうか。
「これ、という明確な答えはないと思います。実は世界のテイストメイドの中で最も再生回数が多いのは、テイストメイドジャパンが初期に作ったもの。ジャガイモを薄くスライスしてピザのように並べた、というシンプルな動画なのですが、それが一番人気なんです。でもおそらくその中にはいくつもの要素が組み合わさっていて、何かひとつが決め手というわけではないと思います。食材を変えて同じ手法で撮影しても流行るかはわからないし、ジャガイモ料理なら人気が出るというわけでもないんです」と堀川さん。
個別のテクニックにおいても、ちょっとしたきっかけで人気が変化すると言います。