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YouTube料理動画成功の秘訣

スキルアップ
2018年12月10日

個人の販促・集客ツールとして避けて通ることのできないSNSやネットの世界。なかでも、料理のおいしそうな感じや手順を伝える上で動画という手法はぜひとも取り入れたいもの。でも素人でも上手にできるのでしょうか? You Tubeで番組を立ち上げ、各方面で人気の料理家YOSHIROさんに、動画を始めるまでの過程やコツ、動画を配信する意味について伺いました。

まずはスマホで作成して「動画の仕組み」を理解するのも手


YOSHIROさんはこれまで85本ほど動画をUpし、登録者数は約9000人に及びます。
「定番料理は勝手におすすめ動画にピックアップされるようで、月に数万円の収入にはなっていますが、採算としてはマイナスかトントンかというレベルで、これ自体を収入源とは考えていません。料理家としての活動の宣伝ツールと考えているので、海外で仕事をしたい、企業と仕事をしたいといったイメージをもち、それにつながる動画とは?ということを考えて制作しています。もちろん、見てくださった方がその料理を作りたいと思える動画、見た価値を感じてもらえる動画でなければその“先のもの”にはつながりません」
過去には農林水産省での仕事でフランスやバングラディシュ、パラグアイなど世界各地を訪れて日本の味を伝える経験もしましたが、これもYou Tubeでの活動が少なからず貢献している、とYOSHIROさん。
「興味があるなら是非一度試してみることをおすすめします。機械が苦手なら、最初はスマホで動画を撮って、スマホのアプリでアップするのでもいいと思います。まずはそこから動画の仕組みを理解して、さらに自分のこだわりポイントを探っていくのもいいのではないでしょうか」
親しみやすいキャラクターを打ち出したいなら、コミカルな雰囲気で表現するのもいいし、“ママ料理家”というコンセプトなら、子供にも出演してもらって子供と一緒にクッキングをする動画をアップするのも良いのでは?などと提案してくれました。

最後に大事なこと、“ディスりにくじけるな!”


最後に、これはぜひ伝えたい!とYOSHIROさんが教えてくれたのが「絶対にネガティブなコメントは来ますよ!」ということ。
「動画というのは自分を表現する場ですしいろんな反応がもらえて面白い場でもありますが、避けて通れないのがディスりやバッシング。“まな板汚い!”“全然おいしそうじゃない”とか、めげるようなコメントもけっこう来るんです。でもそれに心を折られず、“ディスリは挨拶!”と思って受け止める度量が必要です(笑)」
YOSHIROさんは批判的なコメントもすべて削除せずに、返信しているそう。
「ご意見ありがとうございます、と返すと案外いい人に変わったりして、“そんなつもりじゃなかったんです、これからも楽しみにしています”なんてコメントが返ってくることも(笑)」
自分を戦略的に商品化しつつ、コツコツと努力を続け、失敗も批判も明るく受け止める。You Tube単体ではなく、料理家として、フリーランスとしてのさまざまな取り組みが影響しあって、人気の動画は完成していったようです。
これから動画を始めようかと思った方、新たな集客ツールを見つけたいと思っていた方、ぜひYOSHIROさんの手法や発想から、真似できるものを探してみてはいかが?

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撮影/山下みどり 取材・文/吉野ユリ子

話を聞いた人 料理家 YOSHIROさん
1988年神奈川県生まれ。和食料理人である父の影響で、幼少期から実家の店舗で料理の基礎を学ぶ。調理師免許、きき酒師、ソムリエ(ANSA)、ジュニア野菜ソムリエなど食に関する資格を有し、きき酒師の上位資格である日本酒学講師を史上最年少で合格。素材の持ち味を活かした和食をベースに、エスニックからイタリアン、オーガニックと幅広いジャンルを得意とする。2015年からは農林水産省・JICAの共催事業にも参画し、国内外で日本食・食文化を発信している。スポーツをこよなく愛し、2016年6月に行われたトライアスロンの大会では年代別準優勝。「食× スポーツ」を普及する活動も精力的に行っている。